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秋刀魚の歌2

2009/08/14 金 | 日記

前回、佐藤春夫の『秋刀魚の歌』に出てくる「蜜柑の酢」は、

旧盆のわずかな期間に和歌山の一部に出回る

「みかんず」である、という説を開陳しました。

みかん酢2

ではこのみかんず、何に使うかというと、
我が家ではそうめんのつゆに絞り入れていました。

穏やかなみかんの香りと、まだ青い酸味が、繊細なそうめんにマッチし、

もう涙ちょちょ切れる美味さです。

軽い酸味は、特に暑い夏場にはもってこいで、
食欲がなくなる残暑の時期でも、美味しく食べられます。


ところで、以前全国のうどん・そうめんを取材したことがあります。

コレです。
うどん大全


各地のそうめん処では、いろいろな食べ方をしています。

奈良の三輪そうめんは、だしに干した桜エビを加えます。
富山の大門そうめんは、なすの醤油煮の中にそうめんを加えます。
兵庫の播州そうめんは、めんゆつではなく二杯酢、三杯酢で食べます。
熊本の南関そうめんは、二杯酢ににんにくを加えたりします。

そうめんといえば、

三輪・播州・小豆島・大門・南関それに島原が有名ですが、
農家が真冬の農閑期(しかも深夜から早朝にかけて)に手がける製品で、
意外と全国各地にあることを知りました。

しかも専業農家は高齢化が進み、
そうした地のそうめん産業は風前の灯であることも知りました。

そうめんほど季節限定の麺も珍しいもので、
地元にだけ伝わる独自の食べ方が、まだまだたくさんあるのですが、
お店であまり食べる料理ではなく、どちらかというと家庭料理ですし、
ほんの一瞬ともいえる期間しか食べられなかったりするので、
そうした食べ方は、あまり知られていません。

美味しい食べ方がたくさんあって、
そうめんの楽しみ方が広がるのに、残念です。

皆さんの地元や家庭では、どのような食べ方をしていますか?
もしあったら教えてください。
『そうめんの話』、一度まとめて紹介したいものです。

次回は「朝カレー」について。
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