最先端の日本酒ペアリング 著者:千葉麻里絵 宇都宮仁

ご好評につき発売即、重版出来!

判型:A5判
ページ数:192ページ
発行日:2019/04/26
ISBN-13:9784751113639
定価:2,750円(税込)

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最先端の日本酒ペアリング

千葉麻里絵 宇都宮仁

ご好評につき発売即、重版出来!

判型
A5判
ページ数
192ページ
発行日
2019/04/26
ISBN-13
9784751113639
備考
定価
2,750円(税込)

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「誰もが驚く日本酒体験」その秘密を大公開

東京・恵比寿から徒歩10分の静かな場所にある『GEM by moto』(ジェム バイ モト)は、他の日本酒バーとは一線を画する店。中でも、店長の千葉麻里絵が考案してきた日本酒と料理のペアリングは、「こんな味わい、初めて!」と感激を呼び、多くのお客さまを魅了しています。

GEM by motoのカウンターに立つ千葉麻里絵。

その組み合わせは、例えば「どぶろくにブルーチーズハムカツ」「いくらに吟醸酒」など、従来の日本酒と料理の組み合わせには見られないものが数多く、その意外性にとりことなる人も。また、彼女は来店客の顔や様子をみれば、その人の欲する日本酒のタイプも大体わかるといい、それはほとんど外したことはありません。
そして「その組み合わせの発想はどこから生まれるのか?」「私も彼女のような感性を身につけたい」という飲食店関係者やソムリエ、日本酒業界の方が、連日彼女の元を訪ねています。

GEM by motoのフードペアリングの代表例「どぶろく」と「ブルーチーズハムカツ」。

彼女が10年近くにわたり培ってきた理論と研鑽を、書籍として一冊にまとめ、日本酒の楽しさをより多くの人に広めたい--。そんな願いから、本書は千葉麻里絵のペアリングの理論とともに、実際に彼女が『GEM by moto』で提供してきた日本酒と料理のペアリングの実例(味の組み合わせ例とレシピ)30種類以上を紹介します。
ワインのペアリングを「油絵」とするなら、日本酒のペアリングを「水墨画」ととらえ、料理に合わせて熟成させたり燗酒にしたり、時にオフブレーバーも活かすなど、従来のペアリングの思想から一歩すすんだ、最先端の理論と実践を習得できます。

目次

プロローグ

口内調味を意識したペアリングの新提案
寄り添う時代から、ピタリと合わせる時代へ

ペアリングレッスン 1

新しいペアリングに欠かせない7アイテム
日本酒にちょい足しで料理に寄せる

ペアリングレッスン 2

千葉麻里絵の考えるペアリング理論 ~ペアリングレシピ実例27種~

1 似た者同士 -料理と似た味や香りの酒を合わせる
2 対照的なもの同士 -料理と対比させて増幅させる
3 濃淡を合わせる -酒を時間軸でとらえる
4 味を重ねる -料理ありきで、ソースのように酒を重ねる
5 余白を埋める -料理を完成させず、酒と合わせて完成させる
6 陰影をつける-味に奥行きをもたせる
7 記憶にある味の再構築 -既存の料理を分解する
8 新たな味を生み出す -遊び心で味と香りを組み合わせる
9 余韻を長くする-味の印象を伸ばす

ペアリングレッスン 3

クセのある香りや味わいをペアリングでとらえる
~ペアリング例とその考え方・レシピ7種~

●イソバレルアルデヒド-日本酒のナッツみたいな香りに、熟成した魚
●ソトロン-カラメルみたいな熟成酒に蟹味噌
●ジアセチル-ヨーグルトみたいな日本酒に山椒
●4VG-日本酒の燻した香りは、ハーブやオイルを引き立てる
●木の香り-木の香りにはだしが合う
●強い酸味-酸っぱい日本酒を酸味かわりに
●強い甘み-甘やかな日本酒に、生ハムや塩味で甘じょっぱく

製造工程で読み解くフレーバーと用語

ペアリングのための燗酒レッスン
GEM by motoの店づくり
感激を呼ぶ、ペアリングの接客の極意

ペアリングレッスン 4

誌上ペアリングレッスン/鰹に日本酒を合わせたら?
最先端ペアリングのためのソムリエとの勉強会
料理人が 今日本酒ペアリングに挑戦する理由

「セララバアド」橋本宏一 /「レストランオード」生井祐介/「ラ・ボンヌターブル」中村和成/「Sio」 鳥羽周作/「サーモンアンドトラウト」 森枝幹

ペアリングのための日本酒講座

1「味わい」をとらえる 2「香り」をとらえる
3「香り」を表現する 4「酸」を表現する
5「酒の時間軸」をとらえる 6「温度による味の変化」をとらえる 7「種類と特長」をとらえる

日本酒のフレーバーホイール香りと匂いの由来成分
ペアリングのための分析値の読み方
掲載日本酒リスト

読者が得られること

・既成概念の上をいく多様なペアリングの原理原則。日本酒の新たな楽しみ方
・驚きを伴う味わいのペアリングを再現できる
・科学的アプローチに基づいた新しいペアリング理論
・飲食店が自らの手で日本酒に付加価値をつける力
・日本酒の味わいの多様性を理解し、それを上手に提案して売る力
・海外の人に日本酒の魅力を説明する際の理論武装

ペアリングとは?

料理とドリンクの相性を考えながら食事を楽しんでもらうこと。最近はレストラン等でペアリングコースとうたい、料理1品とそれに相性の良いドリンク1杯を組み合わせるコースも流行しています。もともとワインの世界で広まっていたペアリングの考え方ですが、いまは日本酒、焼酎、クラフトビール、カクテル、ノンアルコール…など、あらゆる飲料との組み合わせ方が提案され、楽しみ方が広がっています。
日本酒のペアリングで言えば、いま多くの日本酒が海外進出する中で、海外の人からは「どんな料理に合うのか」「どう楽しむのか」という質問が急増しているといいます。しかし、プロの飲料関係者の中でも、なかなか明快に答えられないというケースも少なくありません。日本酒と料理の多様な組み合わせを提案しつつ、その組み合わせの本質を語るテキストブックの登場が望まれています。

本書の特徴~科学的アプローチ~

本書は、単に料理とお酒の組み合わせの見本例ではなく、お読みになった方が(その人がたとえ日本酒の素人であっても)日本酒ペアリングを自分なりの考え方に基づいて実践できるレベルになることを目指しています。
そのために必要なのは「再現可能性」と「科学的なアプローチ」と考えました。酒と料理の美味しい組み合わせを、感覚、官能で探ることも大事ですが、それを裏付ける科学的な根拠についても出来る限り探求しています。
日本酒のおいしさを構成する要素(味わい、香り、酸、温度、時間軸)などといった基本的な知識を始め、本書に登場する日本酒の一部では、それぞれ日本酒度、酸度、アミノ酸度といった、その日本酒の味わいを構成する要素について新たに分析し、数値的にも千葉麻里絵のペアリング理論を裏付けられるように試みました。
日本酒の“液体”の本質について言及した一般書籍は少ないという点でも、本書は貴重な教科書になり得ます。また、日本酒のことをそれほど知らない人でも、本書から学べば、少なくとも日本酒のおいしさの本質を理解でき、日本酒通に負けない教養を身につけられることでしょう。

 

共著者に元東京国税局・鑑定官室長の宇都宮 仁先生

目指すところである「再現性」や「科学的考察」を実現する上で、強力な助っ人として参加してくださったのが、宇都宮 仁先生です。
国税局や酒類総合研究所で、長らく日本酒の成分分析や品質評価の最前線で活躍されていた方であり、日本酒醸造の世界で先生のことを知らぬ人はおりません。そんな先生に、千葉麻里絵のペアリングについて助言と監修をいただき、理論的な後ろ支えとして協力していただきました。先生のアドバイスと的確な解説により、本書のペアリング理論の精度はより高まったと考えております。

千葉麻里絵からメッセージ

個性が強い日本酒を「嫌い」という人が、ペアリングで料理と一緒にそのお酒を飲むと「これは…!」とファンになる。そんな光景を営業中に何度も見てきました。
そんなお客さまが喜ぶ姿を何回でも見たくて、日本酒のペアリングを毎日のように研究しています。『GEM by moto』では2日に1回は新作料理を投入していますが、それも新たなペアリングを試みているからです。
少し専門的な話をしますと、日本酒の品評会などにおいて、その評価方法はワインなどとは違い、減点法が用いられます。いわゆるオフフレーバーといわれる個性的な香りの酒などは減点されてしまうことがありました。でもその中には、ペアリングのアプローチを探ることで、劇的においしい組み合わせになるものがあります。日本酒のそんな新たな楽しみと、多様性を伝えたいというのも、今回の出版の動機です。


一方で「日本酒は何でも合う飲み物でしょ?」という認識もあります。それは飲食店や小売店で働く人でも同様です。でも、一歩掘り下げれば、もっともっと楽しくおいしい組み合わせは発見できるのです
私がペアリングに興味を持ってから、来る日も来る日も試してきて気づいた理論を、皆さんにも共有できれば、日本酒のことがもっと楽しく好きになるはず。だからこの本では、ペアリングの理論やレシピ以外にも、燗酒のノウハウや接客の話、自分でペアリングを実践する時に必ず取り組んでいることも紹介しました。 この本を使えば、私と同じかそれ以上のペアリングを見出すこともできるかもしれません。
私のこれまでの日本酒への研鑽を、全て詰め込んだつもりです。ぜひとも、日本酒のおいしさを求める旅にご一緒してください。