とっておき「ニッポン食材」活用レシピ★南信州の伝統野菜「ていざなす」でつくるデザート – 旭屋出版

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プロのレシピ 2018.08.22

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とっておき「ニッポン食材」活用レシピ★
南信州の伝統野菜「ていざなす」でつくるデザート

日本には、こだわりの生産者が情熱を込めてつくる素晴らしい食材がたくさんあります。その誇るべき食材をクローズアップ! 人気店のシェフがとっておきの「ニッポン食材」と、その活用レシピを教えます。今回の食材は、南信州の伝統野菜「ていざなす」。やわらかで瑞々しい果肉を生かし、サプライズ感のあるデザートに仕立てます。

ていざなす

果肉のやわらかさと甘みが特徴の南信州・伝統野菜

重さ450~600g、長さ25cm以上にもなる南信州の伝統野菜。長野県天龍村の田井澤久吉さんが明治20年頃、東京から種子を取り寄せて栽培を始めたところから「たいざわなす」と呼ばれ、さらにそれがなまって「ていざなす」として定着したとされる。大ぶりのなすながら皮までやわらかく、特に果肉は加熱するととろりとした食感が楽しめるのが特徴。アクも少なく、焼きなすやソテー、揚げ物とどんな調理法にも合うと近年、脚光を浴びている野菜で、地元はもとより東京、名古屋への出荷も増えている。旬は7月末~10月まで。天龍村ていざなす生産者組合では、年間約2.5万本を出荷する。

天龍村ていざなす生産者組合(☎0260-32-2720)

ていざなすのデザート
~コンポート、アイスクリーム、ゼリーの三層仕立て~

果肉は瑞々しく、甘みもあり、皮もやわらかい。アクも少ないため蒸してからそのままコンポートに。キャラメルのほろ苦さでなすの甘みを引き立てたアイスクリーム、皮を使ったゼリーをかぶせることで、何が出てくるか分からないワクワク感を創出する。
●参考売価550円/原価165円

■材料(4人前)
ていざなすのコンポート
 蒸しなす(ていざなす) 1/2本
 白ワイン 50g
 水 150g
 レモン汁 1/2個
 砂糖 80g
ていざなすとキャラメルのアイスクリーム
 ていざなすのコンポート 適量
 ※アイスクリームとゼリー用のコンポートは上記分量と別途用意する。
 キャラメルのアングレーズ 適量
ていざなすのゼリー
 コンポート液 100g
  パールアガー 7g
  ていざなすの皮のコンポート 適量
ていざなすのチップ
(薄切りにしたていざなすを60℃のオーブンで1時間乾燥させたもの) 適量

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■作り方
1 ていざなすはストウブの鍋で丸ごとやわらかく蒸したものを用意する。
2 1を4つに切り、白ワインと水、レモン汁、砂糖でコンポートにする。
3 ていざなすとキャラメルのアイスクリームを作る。キャラメルのアングレーズとコンポートにしたていざなすをアイスクリームマシンにかける。
4 ていざなすのゼリーを作る。2のコンポート液とパールアガーを合わせて火にかけ、沸いたら火からおろす。ここに細かく刻んだていざなすのコンポートの皮を入れ、バットなどに流し入れ、シート状のゼリーにする。
5 器にていざなすのコンポートを盛り、アイスクリームをのせ、ゼリーをかぶせる。ていざなすのチップを飾る。

「ていざなす」を活かすPOINT
◦蒸す調理で旨みを逃がさない
◦やわらかい皮も使ってデザートに

【シェフ紹介】
Coulis(東京・新富町) オーナーシェフ 折笠龍馬氏

2009年4月にオープン以来、夜のディナーは10皿以上の皿を出すおまかせコース1本のみ。「自分の好きな料理をやろう」と旬の食材を最もよい状態で提供することに力を注ぎ、お客からの支持を得ている折笠シェフ。惚れ込んで使う食材の一つに長野の伝統野菜がある。
今回その中から選んだ「ていざなす」は、デザートで提案。野菜は皮近くに旨みや栄養があるからこそ「皮ごと使いたい」と皮ごと使い、野菜本来の味を最大限に生かす。瑞々しくアクの少ない「ていざなす」は丸ごと蒸してからコンポートに。野菜の個性が際立つ確かな調理法で作り上げる。

長野の『ヴィラデストガーデンファームアンドワイナリー』でシェフを務めたのち、独立。2009年に『クーリ』を築地に近い新富町にオープンした。野菜は築地のほか農家から直接仕入れ、常に新鮮な野菜を使った遊び心あふれる皿を提供。昼は「15種類の野菜と本日のおまかせ前菜」を組み込んだセットメニュー、夜は旬の野菜や肉、魚を組み込んだ10皿以上の「おまかせコース」5500円で人気を集める。
■住所/東京都中央区新富2-10-10 2F

http://http://www.coulis23.com/

※月刊「近代食堂」2015年10月号に掲載した内容を再編集しています