人気シェフのとっておき「ニッポン食材」活用レシピ★脂ののったヒメマスが主役のパイ包み焼き | 旭屋出版

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プロのレシピ 2018.09.05

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人気シェフのとっておき「ニッポン食材」活用レシピ★
脂ののったヒメマスが主役のパイ包み焼き

日本には、こだわりの生産者が情熱を込めてつくる素晴らしい食材がたくさんあります。その誇るべき食材をクローズアップ! 人気店のシェフがとっておきの「ニッポン食材」と、その活用レシピを教えます。今回は、これからの時期に脂がのってくる「十和田湖ひめます」を使ったパイ包み焼きを紹介します。

十和田湖ひめます

十和田湖のきれいな水で育つヒメマスを安定して供給

「十和田湖の透明度は12m。直射日光が湖底まで入り、プランクトンも豊富。十和田湖のヒメマスが身も太り、脂がのっているのも湖のおかげ」と小林義美組合長。きれいな湖で育つ「十和田湖ひめます」はベニサケの陸封型で、ピンク色の身が美しく、淡水魚特有のクセも少ない。十和田湖増殖漁業協同組合では、年間70万尾の稚魚を放流。成長した2~3年魚を刺し網で漁獲し、出荷する。十和田湖の水温は年間を通して低いため、通年、味は落ちることはないが、「やっぱり冬を控えた10月から脂がのります」。資源保護のための禁漁時期(6/20~7/10)などは急速冷凍したもので対応し、安定供給を確保。年間約15tを出荷する。

■十和田湖増殖漁業協同組合(☎&FAX0176-75-2180)

十和田湖ひめますのクリビヤック

ヒメマスにベシャメル、バターライスを重ねてパイ包みに。脂がのって身の太ったヒメマスは、多層的な料理にも向くしっかりとした味わい。重ねることでその旨さも引き立つ。川魚と相性がよいエストラゴンビネガーのソースで、パイの重さを感じさせないよう仕上げる。
●参考売価2680円/原価880円

■材料(1人前)
ヒメマス(十和田湖ひめます) 1/2尾
  塩、白胡椒 各少々
ズワイガニのベシャメルソース
 ベシャメルソース 30g
 ズワイガニ(茹でて身をほぐしたもの) 15g
 マッシュルームのピューレ 15g
 茹で卵(粗みじん切り) 1/4個分
ホウレン草のバターライス
 バターライス(白米と塩、バター、パプリカパウダー、ターメリックパウダー、人参をブイヨンで炊く) 大さじ1
 ホウレン草(塩茹でして1cm刻み) 1株分
パイ生地(厚さ3mm/浮き上がりを抑えるため、折りたたみ回数を少なくする)
   直径15cm+直径10cm分
溶き卵 適量
★べアルネーズソース 1人前量
★ベアルネーズソースの作り方
材料(4人前)
卵黄1個分、エストラゴンビネガー(白ワインビネガーにエストラゴンを2~3週間漬ける)30g、塩2つまみ 、澄ましバター 150g ミックスハーブ(イタリアンパセリ、セルフィーユ、エストラゴン、ディル)4つまみ
作り方
ボウルに卵黄とエストラゴンビネガー、塩を入れ、湯せんにかけながら、ホイッパーで混ぜる。軽くとろみがついたら湯せんからおろし、糸をたらすように澄ましバターを加え、分離させないよう撹拌して乳化させる。
 

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■作り方
1 ヒメマスは三枚におろして皮を引き、塩、胡椒をしてから4つに切る。
2 パイ生地を3mm厚さにのばし、直径15cmと10cmのセルクルで抜く。
3 ベシャメルソースにズワイガニ、マッシュルームのピューレ、茹で卵を加えて混ぜ合わせる。
4 バターライスにほうれん草を加えて混ぜ合わせる。
5 直径10cmのセルクルの内側にバターをぬって打ち粉をする。オーブンシートを敷いた天板の上にセルクルをのせ、15cmのパイ生地を縁取りしながらかぶせる。
6 パイ生地の中にベシャメルソース、ヒメマス、バターライスの順にのせ、10cmのパイ生地をかぶせる。縁に卵黄をぬり、はみ出ている生地できっちり封をする。
7 別の天板にオーブンシートを敷き、6をひっくり返してのせ、らせん状に溝模様をつける。焼き上げた時に生地が破れないよう、中心に竹串で穴をあける。
8 210℃に温めておいたオーブンに入れ、約15分焼く。
9 焼き上がったらセルクルからはずし、皿に盛り、ベアルネーズソースを添える。

「十和田湖ひめます」を活かすPOINT
◦旨みや香りの豊かさは多層的な料理に充分応える
◦淡水魚に合うハーブとソースを組み合わせる

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【シェフ紹介】
Brasserie La・mujica(東京・目白) オーナーシェフ 梶村良仁氏

「現地で生産者の方と会い、食材を知ることで料理も変わってくる」と、生産の現場に積極的に足を運び各地の食材を発掘する梶村シェフ。自身が知っていた以上の、最上のものを知ることで、同じ料理でも作り方が変わってくるという。何度か訪れている十和田のヒメマスは、特に脂がのって身の肥えたヒメマスを仕入れ、今回紹介したパイ包みだけでなく、コンフィやスモークなど、多岐にわたるスタイルで提供する。

1976年生まれ。高校卒業後、料理の道へ。グランメゾンからビストロまで幅広く経験を積み、渡仏。南仏のオーベルジュやパリの星付きレストランで、本場の料理を学ぶ。帰国後、東京會館ユニオンクラブを経て、2008年に同店をオープン。カジュアル・フレンチの店ながら、伝統的な料理から独創性あふれる料理まで提供して人気を集める。各地の食材をテーマにしたフェアも定期的に開催。
■住所/東京都豊島区目白3-14-21
http://lamujica.com/

※月刊「近代食堂」2015年11月号に掲載した内容を再編集しています