"活け込み"で旨みを引き出したスズキのポワレ 人気シェフのとっておき「ニッポン食材」活用レシピ | 旭屋出版

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プロのレシピ 2018.06.13

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“活け込み”で旨みを引き出したスズキのポワレ
人気シェフのとっておき「ニッポン食材」活用レシピ

日本には、こだわりの生産者が情熱を込めてつくる素晴らしい食材がたくさんあります。その誇るべき食材をクローズアップ!人気店のシェフがとっておきの「ニッポン食材」と、その活用レシピを教えます。第5回は、生け簀で休ませる手法で旨みを増し、活締め神経抜きにする「一山商店のスズキ」を、繊細な火入れで旨みを引き出してポワレに。

一山商店のスズキ

リラックス&デトックスで生まれる旨みと食感

築地や横浜の市場内で絶大な評価を得ている鮮魚、活魚の卸問屋・一山商店。清水シェフが「身は穏やかで旨みが深い」と信頼する鮮魚は、魚を休ませてからの活締め神経抜きと徹底した温度管理で生まれる。魚は釣られたときに過大なストレスがかかり、身に疲れが溜まっている。
「不純物をろ過したきれいな海水で数日生かしておく“活け込み”の方法で魚を休ませることで、魚のストレスと老廃物を除くんです」と一山の専務取締役・宮川敏孝氏。さらに瞬時に活締め神経抜きされた魚は氷水で洗われ、最高の鮮度を保った状態で出荷される。一山商店の魚
は直営のレストラン、千葉・銚子の『一山いけす』でも味わえる。問い合わせもこちらまで。

■一山いけす(TEL:0479-22-7622 http://www.ichiyamaikesu.co.jp/

鱸のポワレと白烏賊 蛍烏賊のソース

旬のスズキはホタルイカの旨みやほろ苦さを活かしたソース、トマトのフレッシュな酸味で夏のひと皿に。一山商店の鮮魚の身質と旨みを活かすため、53.5℃のウォーターバスでやわらかく熱を加えてからポワレに。ホタルイカは燻製にかけることで臭みのないソースに仕上げた。
●参考売価2000円/原価700円

■材料
スズキ(切り身)…90g
塩…適量
白イカ(さばいたもの)…約25g
ミニトマト…適量
刻みパセリ…適量
アンチョビ…適量
★蛍烏賊のソース…適量
姫かぶ…1本
★ドライブラックオリーブ…適量
レ ッドソレル(マイクロリーフ)…適量
EXV.オリーブオイル(仕上げ用)…適量
オリーブオイル…適量

■作り方
1 スズキは切り身にし、皮目に均等に切り目を入れ、軽く塩をふり、真空包装する。
2 1を53.5℃のウォーターバスに入れ、5分ほど温める。湯温が安定しているウォーターバスを使うことで、急激な温度変化がなく、身にストレスを与えずにゆっくり加熱することができる。
3 真空包装から取り出し、オリーブオイルをひいたフライパンに皮目を下にして入れる。皮目がパリッとするまでじっくりソテーし、裏に返して身側も軽く焼く。
4 さらに215℃のオーブンに入れ、芯まで火が入るまで焼く。焼き上がりの目安は手で触ってみて、弾力で判断する。
5 白イカはさばいて薄皮をむき、輪切りにする。ミニトマトは4つに切る。
6 フライパンにオリーブオイルを熱して5の白イカ、ミニトマト、アンチョビを入れてソテーし、刻みパセリを加える。
7 姫かぶは皮をむいて形を整え、塩を入れて茹でる。
8 蛍烏賊のソースは温めておく。
9 器に蛍烏賊のソースを流し、4のスズキ、姫かぶ、6の白イカを盛る。姫かぶの上にドライブラックオリーブを散らし、6のミニトマトを重ね、レッドソレルを飾る。EXV.オリーブオイルを白イカにかけて完成。

★蛍烏賊のソース
ホタルイカの時季に作るソース。ホタルイカを使い、軽く燻製にかけてから少量の水で煮てミキサーで回し、ピューレ状にしてソースにする。ホワイトアスパラガスのソースなどにもする。

★ドライブラックオリーブ
ブラックオリーブの酢漬けをロボクープにかけて細かくし、フードドライヤーで乾燥させる。

「一山商店のスズキ」を活かすPOINT
・ウォーターバスで身にストレスをかけずに温度を上げる
・皮はパリッと身はふっくらに仕上げる三段階の火入れ

【シェフ紹介】
Restaurant C'EST BIEN(東京・南長崎)シェフ 清水崇充氏

調理師学校卒業後、三笠会館で5年イタリアンの経験を積んだのち、東長崎で37年続く実家の洋食屋に入る。ほぼ独学で学んだ本格フレンチを独自の感性で皿に作り、現在モダンフレンチのシェフとして注目を集める一人に。
店名の『C'EST BIEN』とはフランス語で「よい」という意味を持つ。実家である同店に入るにあたり、清水シェフは「やはりフレンチを」と本格フレンチを独学で学び始める。その中で名だたる若手シェフたちと親交を深め、彼らと“確かな食材”を求めて生産の現場にも積極的に足を運ぶように。独自の処理の仕方を施す一山商店の鮮魚は、実際に現場を見て旨さの理由に納得し、ディナーのコースやアラカルトの魚料理に必ず仕入れる。いまでは食材の背景を知らないお客にも喜ばれるシェフのスペシャリテとなっている。
父の作る昔ながらの懐かしみのある洋食、清水シェフの作るモダンでスタイリッシュなフレンチが同居する店。商店街の一角で地元客に愛されながら、遠方からもお客を呼ぶ。
■住所/東京都豊島区南長崎5-16-8 平和ビル1F
http://www.restaurant-cestbien.com/

※月刊「近代食堂」2017年8月号に掲載した内容を再編集しています