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プロのレシピ 2018.10.19

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人気シェフのとっておき「ニッポン食材」活用レシピ★
酒粕のかまくら仕立て

日本には、こだわりの生産者が情熱を込めてつくる素晴らしい食材がたくさんあります。その誇るべき食材をクローズアップ! 人気店のシェフがとっておきの「ニッポン食材」と、その活用レシピをお教えします。今回は「酒粕のかまくら仕立て」。なめらかでクリーミー、なおかつ上品な香りが魅力の大吟醸を使った、冬らしいデザートです。

大七酒造のとろける酒粕(純米大吟醸)

蔵元特製の石臼で練り上げた、香りの高い“酒粕ペースト”

“酒粕=板粕”のイメージを一新するなめらかでクリーミーな大七酒造の「とろける酒粕」。その名の通り、特製石臼を使って練り上げたなめらかなペースト状で、すりつぶしたり溶きのばしたりする手間もなく、ヘルシーな酒粕を手軽に料理や甘酒に使えると評判が高まっている。
スクリューキャップ、スタンドパックで品質や風味も保ちやすく、片手でぎゅっと押し出すだけなので、一度使った人はリピーターになる人が多いという。
和の料理以外にも肉や魚のソースにも合う。香りが華やかな「純米大吟醸」とコクと旨みが強い「純米」の2種類。それぞれ300g入り。生酛造りの良質の酒の風味もしっかり残っている。

■大七酒造株式会社(http://www.daishichi.com/)

酒粕のかまくら仕立て

「とろける酒粕」はシャープな味わいと華やかな香りがデザートの甘さによく合う。ここではフロマージュブランと合わせたムースをソースとして使用。日本酒ゼリー、みかんアイスと合わせる。
メレンゲで大吟醸の香りを閉じ込め、あんぽ柿の濃厚な甘さをアクセントにした。
●1800円/原価600円

■材料(作りやすい分量)
<メレンゲのかまくら>
卵白…300g グラニュー糖…280g
 ※夏場はここにコーンスターチ20gを加えて安定させる。
<酒粕とフロマージュブランのムース>
 フロマージュブラン…500g 生クリーム…150g
 グラニュー糖…50g とろける酒粕(純米大吟醸)…25g
<日本酒ゼリー>
 水…70g グラニュー糖…25g 板ゼラチン…2枚
 バニラビーンズ…1/4本 大七酒造の順塀大吟醸酒…250ml
<青切りみかんのアイス>
 水…500g グラニュー糖…150g 水あめ…30g
 青切りみかん(果汁)…5個分 レモンジュース…20g
 ※水とグラニュー糖、水あめを合わせて沸かし、冷ましてから
  青切りみかんの果汁とレモンジュースを加え、アイスにする。
<仕上げ用>
 あんぽ柿…1/4個(1人分)、粉糖…適量

      ■作り方
      1 メレンゲのかまくらを作る。卵白をミキサーで撹拌し、グラニュー糖を加える。気泡が大きくなると表面がなめらかにならないため、泡立つ前にグラニュー糖を加え、ゆっくり撹拌して流れるくらいのクリーム状にする。
      これを絞り出し袋に入れ、クッキングシートを敷いた天板に直径4㎝程度のボウルをさかまにしてのせた上に絞り出す。90℃のオーブンに入れ、4時間ほど乾燥焼きにする。
      2 酒粕とフロマージュブランのムースを作る。フロマージュブランは水を切っておく。生クリームにグラニュー糖を加えて撹拌し、6分立てになったら水を切ったフロマージュブランと酒粕を加え、ツノが立つまで泡立てる。保存容器に移し、冷蔵庫で冷やし固める。
      3 日本酒ゼリーを作る。水とグラニュー糖を合わせて沸かし、板ゼラチンを溶かし、さやから取り出したバニラビーンズと日本酒を加え、冷やし固める。
      4 1のメレンゲの内側を薄く削る。その中に1人分の2のムース、青切りみかんのアイス、あんぽ柿、3のゼリーを詰め、お皿をかぶせてひっくり返す。粉糖をふって仕上げる。

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      【シェフ紹介】
      『ESSENCE』
      オーナーシェフ 内藤史朗氏

      『ESSENCE』は東京・三鷹の井の頭公園近くの洋館2階にある。シックで落ち着いた雰囲気に大人客が集まる。ランチコース3000円~、ディナーコース5000円~提供する。
      「とろける酒粕」は福島出身の内藤氏が好きな蔵元のもの。大吟醸タイプは「大吟醸のシャープさが甘さに合う」とデザートに。純米タイプはまったりとした風味を生かし、料理のソースに使う。
      ■住所/東京都三鷹市下連雀2-12-29 2階

      ※月刊「近代食堂」2016年12月号に掲載した内容を再編集しています