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プロのレシピ 2018.07.13

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人気シェフのとっておき「ニッポン食材」活用レシピ★
牛肉と豆腐のピリ辛魚醤煮

日本には、こだわりの生産者が情熱を込めてつくる素晴らしい食材がたくさんあります。その誇るべき食材をクローズアップ! 人気店のシェフがとっておきの「ニッポン食材」と、その活用レシピを教えます。今回は地元漁港の獲れたてイワシ で作る、万能調味料「鵠沼魚醤」を使用した『牛肉と豆腐のピリ辛魚醤煮』をご紹介します。

鵠沼魚醤

鮮度抜群の地元イワシで作る 古代ローマの万能調味料

神奈川・藤沢の片瀬漁港で獲れたカタクチイワシと天然塩のみで作った魚醤。 以前、藤沢でイタリア料理店を開いていた高橋 睦氏が、地元漁港で 余っていたイワシを活用し、古代ローマ時代の魚醤「ガルム」を参考に開発。 早朝に仕入れたイワシをその日の内に塩漬けにし、じっくり寝かせた後 ろ過し、加熱せずに完成させる。「魚醤は醤油と塩の中間に位置する、 塩味と旨みのある万能調味料です。主役となる素材を邪魔せず、料理を完成させる 手助けをしてくれます」と高橋氏。味が決まらない時に便利で何にでも使えると イタリアンのシェフを中心に利用が広がっている。

■㈲NORMA(ノルマ) TEL: 090-8504-9835

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牛肉と豆腐のピリ辛魚醤煮

牛肉と豆腐をピリ辛味で煮込んだ一品。 味の決め手として魚醤を加え、辛さの中に 旨みを感じさせる味わいに。牛肉は油通し 豆腐は下茹でしてから調理し、それぞれほど よい食感に仕上げる。また最後に一味唐辛子と 粉山椒をかけ、その上から200℃に熱した熱い油を かけることで香りを引き出し、シズル感豊かに提供する。
●参考売価1900円/原価560円

■材料(1人前)
牛モモ肉…80g
牛 肉の下味用調味料(塩、胡椒、酒、卵液、水を 合わせたもの)…各少々
片栗粉…適量 油…適量
絹ごし豆腐(やや固めのもの)…120g
小松菜…15g 椎茸…1個
豆板醤…小さじ1 豆…小さじ2/3
ニンニクみじん切り…少々
生姜みじん切り…少々
スープ…220ml 塩…少々
魚醤(鵠沼魚醤)…小さじ1
濃口醤油…少々 砂糖…少々
水溶き片栗粉…適量 一味唐辛子…適量
粉山椒(四川産の「漢源花椒」)…適量
山 椒オイル(白絞油3に対しゴマ油1を合わせ 、山椒を加えてゆっくり煮出して香りを移したもの)…大さじ3~4
カシューナッツ…適量 香菜…適量

■作り方
1 牛モモ肉は、細切りにし、牛肉の下味用調味料で軽くもみ込み、下味をつけておく。片栗粉と少量の油をまぶし、100~110℃でゆっくり油通しする。 2 絹ごし豆腐は、さいの目に切り、塩少々を加えたお湯で軽く下茹でし、湯切りする。 3 ざく切りにした小松菜、椎茸を鍋で軽く炒める。豆板醤、豆、ニンニクみじん切り、生姜みじん切りを順に加えて炒め、香りが出てきたらスープを加え、塩、魚醤、濃口醤油、砂糖で調味する。 4 3に1、2を加え、温める。水溶き片栗粉でとろみをつけ、熱しておいた土鍋に移す。一味唐辛子、粉山椒をふる。 5 山椒オイルを200℃まで熱し、4の上にかける。カシューナッツを散らし、香菜を飾る。

「鵠沼魚醤」を活かすPOINT
◦ 旨みを補う調味料として使用
◦ 仕上げに加え、風味を活かす

【シェフ紹介】
『中国旬菜 茶馬燕』店主 中村秀行氏

『東天紅』、横浜中華街『招福門』で修業後、 半年かけてアジア各国を巡り、土地ごと の食を体感する。横浜中華街『菊華』(現 在は閉店)の料理長、『白金亭』の立ち上 げを経て、2009年独立し『茶馬燕』を開 業。薬膳調理指導員の資格も持つ。
生産者や業者から広く話を聞き、食材を 随時取り入れる『茶馬燕』の中村シェフ。 なかでも地元・藤沢で栽培が盛んな野菜 類をはじめ、鮮度に優れた地元食材を積 極的に使用する。
■住所/神奈川県藤沢市南藤沢20-15  第一興産18号館6F
http://www.cha-ma-en.com/

※月刊「近代食堂」2015年12月号に掲載した内容を再編集しています