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プロのレシピ 2018.07.18

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とっておき「ニッポン食材」活用レシピ★
中国野菜を使った彩り華やかなスープ煮

日本には、こだわりの生産者が情熱を込めてつくる素晴らしい食材がたくさんあります。その誇るべき食材をクローズアップ! 人気店のシェフがとっておきの「ニッポン食材」と、その活用レシピを教えます。今回は「テラ・マードレ」の中国野菜とピータン、板春雨などを彩り鮮やかなスープ煮に仕上げた一皿です。

㈱テラ・マードレの野菜

希少なアジア・西洋野菜を飲食店向けに栽培

海外では一般的に食べられていながら、日本では入手しにくかったり高価だったりする希少な野菜類を、飲食店向けに提供する㈱テラ・マードレ。千葉県の大網白里市、茂原市の自社農園と協力農家で野菜を栽培し、役員の田中路果氏が飲食店へ配達(遠方の場合は主に宅配便で対応)。シェフたちのリクエスト等も受け付けており、現在、アジア野菜や西洋野菜を中心にのべ50種類ほどを栽培する。海外で好まれている品種を選び、減農薬の露地栽培で手を掛け過ぎずに育てることで、「苦味や辛味がしっかりあり、クセが強く味が濃いと言われます」と田中氏。こだわり派のシェフたちに支持されている。新規受付は要相談。

■㈱テラ・マードレ(千葉県大網白里南横川3033-35)

アヒル卵2種【皮蛋・鹹蛋】と板春雨の青菜の炒め煮

中国野菜の青菜・紅菜と皇宮菜を使った炒め煮。紅菜の色味がスープに移り、見た目にも華やかな印象を与えるひと皿に。また板春雨を加えることで食感とボリュームを出し、アヒルの加工卵2種類を調味料として使うことで深みのある味わいを工夫する。
●参考売価1800円/原価450円

■材料(一皿分/約3人前)
アヒルの塩漬け卵「鹹蛋(シェンタン)」 1個
皮蛋(ピータン) 1/2個
皇宮菜(「テラ・マードレ」のもの) 40g
紅菜(「テラ・マードレ」のもの) 40g
板春雨(戻したもの) 20g
長ネギ(斜め切り) 20g
ニンニク 1片
日本酒 大さじ1
鶏ガラスープ 200ml
塩 小さじ1/4
胡椒 少々
ゴマ油 小さじ1

■作り方
1 アヒルの塩漬け卵は、黄身と白身を分ける。黄身を10分ほど蒸し、10等分にする(白身は4で使用)。
2 皮蛋も10等分にする。
3 皇宮菜と紅菜は、4㎝幅に切る。
4 中華鍋に油をなじませてニンニクと長ネギを炒め、香りが出てきたら3を加え、1の黄身、2、板春雨を加え、さらに炒める。日本酒、鶏ガラスープ、塩、胡椒を加えて少し煮て、卵の味が出てきたら取り置いておいた1の卵白、ゴマ油を加えて仕上げ、皿に盛り付ける。

「テラ・マードレの野菜」を活かすPOINT
◦炒めて香りを引き出し、食感を残して軽く煮る
◦紅菜の色味をスープに移し、華やかなひと皿に

【シェフ紹介】
神田 雲林(東京・神田) オーナーシェフ 成毛幸雄氏

日頃から外食の際に気になった食材を調べたり、シェフ仲間からの情報を参考に各地から新たな食材を探し出し、それに合わせた調理法で独自の料理を提供する『神田 雲林』の成毛シェフ。
㈱テラ・マードレとは数年来の付き合いで、中国野菜を中心に仕入れている。今回料理に使った紅菜(ヒユナ)や雲南百薬(オカワカメ)等、香港や台湾でポピュラーな野菜を取り込むことで、メニューに特徴を与えている。「一生懸命やっていて、仕入れる量も融通をきかせてくれるので助かっています」と成毛氏。

高校卒業後、横浜中華街で修業を開始。プリンスホテル(御成門)、ハイアットリージェンシー(新宿)等、都内のホテル・レストランで研鑽を積む。2006年に独立し『神田雲林』を開業。現在、姉妹店『三希房』『雲林坊』など計5店舗を展開する。
中国料理の基本と伝統を大事にしながら、自由に発想を広げたオリジナル料理を提供。旬の食材を組み込んだコース料理が好評だ。
■住所/東京都千代田区神田須田町1-17第2F&Fロイヤルビル2F
http://www.kandayunrin.com/

※月刊「近代食堂」2015年9月号に掲載した内容を再編集しています