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プロのレシピ 2018.09.26

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人気シェフのとっておき「ニッポン食材」活用レシピ★
隠し味に白味噌を使った、風味豊かな嶺岡プリン

日本には、こだわりの生産者が情熱を込めてつくる素晴らしい食材がたくさんあります。その誇るべき食材をクローズアップ! 人気店のシェフがとっておきの「ニッポン食材」と、その活用レシピを教えます。今回紹介するのは、隠し味に白味噌を加えることで風味豊かに仕上げた「嶺岡プリン」のレシピです。

石野の白味噌

繊細な甘みと香り。創業230余年の老舗の味

創業230余年の京都の老舗・㈱石野味噌がつくる白味噌。短期熟成の白味噌は、下ごしらえから仕込みまでが肝となり、熟練の技を尽くしながら丁寧に仕込まれる「石野の白味噌」は、和食店をはじめ飲食店でも愛用されている。創業より大切に守ってきた湧水の井戸から汲んだ水で、米を洗って浸漬させ、水切り後に蒸し、麹菌をつけ約2日で米麹が完成。その米麹に、吸水させてやわらかく煮た大豆、塩を合わせ、短期熟成して白味噌が出来上がる。

■㈱石野味噌(http://www.ishinomiso.co.jp/)

嶺岡プリン

牛乳、生クリームをベースにしたプリンの隠し味に白味噌を使用。白味噌は塩気が少ないため食べた時にも味噌の味は強く感じないが、風味と旨みが増して甘さが引き立ち、濃厚で奥ゆきのある味わいに。さらにブランデーやラムを加えると、より大人向けになる。
●参考売価380円/原価40円

■材料(25 人前)
牛乳 2250ml
生クリーム 250ml
グラニュー糖 250g
西京味噌(石野の白味噌) 125g
粉ゼラチン 50g
水 250ml
黒豆の蜜煮 25個
金箔 適量

    ■作り方
    1 牛乳、生クリームを鍋に入れ、90℃位まで温める。グラニュー糖を加え、混ぜ合わせて溶かす。さらに西京味噌を漉しながら加え、混ぜ合わせて溶かす。
    2 粉ゼラチンに水を加え、湯煎で温めてふやかしておく。1に加え、混ぜ合わせて溶かす。
    3 2を氷水にあてて粗熱を取り除き、冷めたら器に流し入れる(1人前120gが目安)。表面を軽くバーナーで炙り、泡を消す。
    4 冷蔵庫で冷やし固める。
    5 注文ごとに黒豆の蜜煮をのせ、金箔を散らす。

    「石野の白味噌」を活かすPOINT
    ◦白味噌を隠し味に用い、風味と旨みアップ
    ◦相性のよい乳製品と合わせて使用

        •     

    【シェフ紹介】
    SHIMOMURA(横浜・元町)オーナーシェフ 下村邦和氏

    基本の調味料に関しては、それぞれ数種類ずつ用意し、食材に合わせて使い分ける『SHIMOMURA』オーナーシェフの下村邦和氏。なかでも和食店でよく使われる西京味噌は、修業時代より馴じみのある㈱石野味噌の白味噌を使用。西京漬け等の漬け込み用には、味わいが深い粒タイプ、その他には使いやすく無駄の出ない漉しタイプと使い分ける。
    「生クリームや牛乳、卵とも相性がよいです。西京焼きなど定番の使い方に加え、デザートやソースの風味づけに加えたりします」と下村氏。白味噌は塩分が低いため、隠し味として使いやすいという。

    数々の和食料理店で経験を積んだのち、『関内本店 月』等を展開する㈱双辰に入社。2005年より総料理長として活躍する。2009年に独立し、横浜・元町に『SHIMOMURA』、2013年にはラーメン店『麺館 SHIMOMURA』を出店。固定メニューは定めず、旬の食材を使った完全予約制のお任せコースのみを提供する。客単価は昼3500円、夜5000~6000円。
    ■住所/神奈川県横浜市中区石川町3-107
    https://www.shimomura-kunikazu.com/

    ※月刊「近代食堂」2015年1月号に掲載した内容を再編集しています