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プロのレシピ 2018.10.26

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とっておき「ニッポン食材」活用レシピ
ピータン湯葉

日本には、こだわりの生産者が情熱を込めてつくる素晴らしい食材がたくさんあります。その誇るべき食材をクローズアップ! 人気店のシェフがとっておきの「ニッポン食材」と、その活用レシピをお教えします。今回は「ピータン湯葉」をご紹介します。濃厚な湯葉とピータンの風味がベストマッチする一品です。

極上汲み湯葉

ファーストクラスの機内食に採用される、大豆の味が深い湯葉

ファーストクラスの機内食に使われるほど評価が高いボダイコーポレーションの「極上汲み湯葉」。山梨県笛吹市の創業120年という老舗豆腐店・山久食品と共同開発した逸品で、有機栽培される国産大豆の皮むき大豆と富士山麓の御坂山景の伏流水を原料に無添加で作られる。
 湯葉は豆乳を加熱した時にできる被膜だが、同社ではこれを68℃の低温でゆっくり被膜をつかせている。豆乳濃度も他メーカーよりも濃いため、大豆の甘みや旨み、香りも深く濃厚。「極上汲み湯葉」はこの被膜を丁寧に汲み上げ、何層にも重ねたもので、ハードタイプとソフトタイプがある。1パック500gで小売価格2900円。都内の料亭が主な取引先で、刺身など生で食べるのがおすすめだという。

■㈱ボダイコーポレーション(℡03-5395-9157)

 

ピータン湯葉

 常にオリジナリティを追求して料理を開発。この料理もピータンの苦手な人にも食べてもらいたいと試行錯誤した結果、同じ発酵食品である金山寺味噌に行き着いた。これが味の決め手にもなっている。
甘みの濃い「極上汲み湯葉」や豆乳の旨みにピータンと金山寺味噌の風味が沿う。
●参考売価680円/原価239円

■材料(仕込み量)
汲み湯葉…1パック
豆乳…適量
塩…適量
ピータン…6個
金山寺味噌…大さじ2
紹興酒…適量
中国醤油…適量
ラディッシュのスプラウト…適量

■作り方
1 フードプロセッサーに組み湯葉を入れる。投入を加えて回し、
  塩で味を調える。  豆乳の量は硬さをみながら調節し、
  ふんわりとムース状にする。
2 ピータンの殻をむき、フードプロセッサーに入れ、金山寺味噌、紹興酒、
  中国醤油を加えて回す。やや粒感が残る程度の食感にする。
3 器に1の湯葉を入れ、2のピータンを重ね、ラディッシュのスプラウトを
  天盛りにする。

「極上汲み湯葉」を活かすPOINT
◦ 湯葉の濃厚な旨味をより引き立たせるための塩使い
◦ ピータンのクセを金山寺味噌でやわらげ、湯葉に沿わせる≺br />

【シェフ紹介】
ENGINE(東京・神楽坂) オーナーシェフ 松下和昌氏

調理師学校卒業後、『A-jun』などヌーベルシノワの店で腕を磨き、
30歳で赤坂『うずまき』の料理長に。立ち上げより7年間務め、
和の素材を中華に仕立てる独自の感性で名を馳せる。
2015年に独立し『ENGINE』を開店。
「和食の引き算の発想で、素材のよさを活かしたい」と、
松下シェフの料理はベースに中国料理の技術がありながら
日本料理の発想で再構築される。看板メニューの「黒酢の酢豚」をはじめ
季節の野菜や魚貝を使った料理もシンプルな仕立てで
素材の持ち味を引き出す。さらに和の素材使いも巧み。
前菜のスペシャリテとしてコースにも組み込まれる
「ピータン湯葉」は和食の親方を通じて知った「極上汲み湯葉」で
ピータン豆腐をアレンジしている。
■住所/東京都新宿区神楽坂5-43-2 roji神楽坂1階

※月刊「近代食堂」2017年4月号に掲載した内容を再編集しています