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プロのレシピ 2018.10.15

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人気シェフのとっておき「ニッポン食材」活用レシピ★穴子の炊き込みごはん

日本には、こだわりの生産者が情熱を込めてつくる素晴らしい食材がたくさんあります。その誇るべき食材をクローズアップ! 人気店のシェフがとっておきの「ニッポン食材」と、その活用レシピを教えます。今回は、精米したての米を、土鍋で 炊いた季節のシメご飯です。

南魚沼産コシヒカリ

粘りと甘み、香りと三拍子揃った “南魚沼”産のブランド米

言わずと知れた日本の米の代表品種・コシヒカリ。中でも市場で高い評価 を得ているのが南魚沼産コシヒカリだ。山々に囲まれた新潟・南魚沼地域 は、ミネラル豊富な雪解け水と肥沃な土地に恵まれている。昼夜の温度 差が激しい山間地のため台風の被害に遭いにくく、倒れやすいコシヒカリ の栽培に適しているという。南魚沼産コシヒカリの特徴は、粘り気があり、 甘みと香りに優れ、炊き立てはもちろん、冷めてもおいしい。「おにぎり にするとお米のおいしさがよくわかります。冷めるといっそう旨さが際立 つ」と、『居酒屋 一』へ米を直送する南魚沼市六日町の生産農家の松井 さん。ほかにも、今回のような炊き込みご飯やお弁当などにもおすすめ。

 

穴子の炊き込みごはん

コシヒカリは毎日玄米から自家精米して いる。いくらおいしい米でも精米して時 間が経つと味が落ちてしまうからだ。さ らに、炊き立てを食べてもらうため、注 文が入ってから土鍋で炊き上げる。具材 は桜エビや筍など、時季のもので季節感 を。煮穴子と新生姜も初夏の出会いの味。
●参考売価1400円/原価490円

■材料(1人前)
米(南魚沼産コシヒカリ)…1合
炊き込みご飯のだし
 昆布とカツオ節のだし…180ml
 日本酒…10ml
 濃口醤油…10ml
 塩…ひとつまみ
★煮穴子…1/2尾
新生姜(せん切り)…適量
根三つ葉(ざく切り)…適量

★煮穴子
材料(作りやすい分量)
アナゴ…1㎏ 煮汁(水…3ℓ 日本酒…500ml 濃口醤油…150ml 薄口醤 油…150ml 白ザラメ糖…200g)
作り方
① アナゴは身を開き、湯霜にしてヌメリを取る。
② 鍋に煮汁の材料を入れて沸かし、アナゴを加え、ひと煮立ちしたらトロ火にし、 30~40分ほど煮る。
③ 煮汁から引き上げ、冷ましたら完成。

■作り方
①米は研いでザルに上げ、水を切る。
②土鍋に米を入れ、合わせた炊き込みご飯のだしを加える。
③煮穴子を香ばしく炙ってから②の上にのせ、フタをして炊く。
④炊き上がったらフタを取り、新生姜と根三つ葉をのせ、土鍋ごと提供する。

「南魚沼産コシヒカリ」を活かすPOINT
◦玄米から使う分を毎日精米 し、米の鮮度を保つ
◦注文が入ってから炊き上げ、 炊き立てを提供する

【シェフ紹介】
居酒屋 一(東京・永福町)店主・樺山一輝氏

都内のイタリアンや和食店を経験後、イ タリアンやフレンチをベースにした料理 とワインの店『ichi』をオープン。2年 後、同店2階に『居酒屋 一』をオープン。 現在は主に『居酒屋 一』の板場に立ち、 質の高い料理でファンを掴んでいる。
井の頭線永福町駅から徒歩2分の住宅地の一 角にある居酒屋。クオリティの高い刺身や一品 料理が味わえるため、遠方からも大人客を呼ぶ。
築地直送の鮮魚をはじめ、季節の野菜な ど、素材の鮮度にこだわり、その良さを 引き出す調理法で提供する店主の樺山一 輝氏。特に鮮魚は信頼する業者の目利き により、季節や産地だけでなく、その日市 場に出回る魚の中でも良いものを仕入れ ている。今回紹介するの南魚沼産の コシヒカリは、南魚沼市の六日町の生産農 家から玄米で送ってもらい、毎朝精米す る。「やはりひき立てはコシヒカリの甘み や香りが格別。この米のおいしさを活かす よう、炊き込みご飯も注文が入ってから 土鍋で炊き上げます」(樺山氏)。シメのご飯 にと最初に注文されるほど人気だという。
■住所/東京都杉並区永福1-44-8 中根ビル2F

※月刊「近代食堂」2016年6月号に掲載した内容を再編集しています