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プロのレシピ 2018.07.11
とっておき「ニッポン食材」活用レシピ★
紹興酒で煮込む「恋する豚」のとろとろ角煮
日本には、こだわりの生産者が情熱を込めてつくる素晴らしい食材がたくさんあります。その誇るべき食材をクローズアップ! 人気店のシェフがとっておきの「ニッポン食材」と、その活用レシピを教えます。今回は中華の人気シェフが教える、注目のブランド豚「恋する豚」を使った角煮のレシピです。
恋する豚
健康的に肉質向上。旨み豊富なブランド豚
千葉県香取郡の在田農場で育てられているブランド豚「恋する豚」。乳酸菌や麹菌を多く含んだ自社開発の発酵飼料を与えることで、豚の腸内環境を改善して健康に。その結果、肉質も向上し、臭みがなくて甘く、脂も軽くて食べやすい豚肉になるという。
また一般的な豚肉と比べ、旨み成分のグルタミン酸やイノシン酸の含有量が多く、悪玉コレステロールを減らすといわれるオレイン酸も豊富。素材の味を感じられる、しゃぶしゃぶなどのシンプルな料理で味わうことをおすすめしている。
■㈱恋する豚研究所(http://www.koisurubuta.com)
紹興酒をたっぷり使った『恋する豚』の角煮
東坡肉(トンポーロー)の基本形に忠実に仕上げた、ほぼ紹興酒のみで煮込んだ塩味の豚角煮。とろみづけに片栗粉等は使わず、醤油も少量のみ。豚バラ肉のコラーゲンと紹興酒で、ツヤツヤとした照りが食欲をそそる見た目、とろっと濃厚な味わいを作り出す。
●参考売価2000円/原価580円
■材料(約15人前)
豚バラ肉(恋する豚)1kg
紹興酒 2ℓ
砂糖 50g
カラメル 100g
塩 適宜
濃口醤油 50ml
水あめ 250g
長ネギ(頭部分)2本分
生姜(スライス)1個分
長芋(すりおろし) 適宜
雲南百薬(オカワカメ) 適宜
■作り方
1 豚バラ肉を1時間ほどボイルし、5㎝角に切り分ける。
2 調味料類をすべて合わせて鍋に入れ、長ネギ頭部分、生姜、1を加え、2時間半ほど弱火で煮込む。
3 長芋のすりおろしを皿に盛り、せいろで蒸す。
4 注文ごとに2を煮汁とともに鍋で温める。煮汁を肉にかけながら、とろみが出るまで煮詰めていく。
5 3に4をのせ、塩炒めにした雲南百薬を添える。
「恋する豚」を活かすPOINT
◦ボイルして余分な脂を落とし、塩味ベースで煮込む
◦水を使わず、たっぷりの紹興酒で煮込んでコクを出す
【シェフ紹介】
神田 雲林(東京・神田) オーナーシェフ 成毛幸雄氏
日頃から外食の際に気になった食材を調べたり、シェフ仲間からの情報を参考に各地から新たな食材を探し出し、それに合わせた調理法で独自の料理を提供する『神田 雲林』の成毛シェフ。
今回紹介する『恋する豚』は、豚角煮用に「脂が多すぎず、身が柔らかい豚」を探しているうちに見つけた食材。「脂が程よく、赤身もジューシー。旨みが豊富で理想に近い豚です」と話す。
高校卒業後、横浜中華街で修業を開始。プリンスホテル(御成門)、ハイアットリージェンシー(新宿)等、都内のホテル・レストランで研鑽を積む。2006年に独立し『神田雲林』を開業。現在、姉妹店『三希房』、『雲林坊』など計5店舗を展開する。
中国料理の基本と伝統を大事にしながら、自由に発想を広げたオリジナル料理を提供。旬の食材を組み込んだコース料理が好評だ。
■住所/東京都千代田区神田須田町1-17第2F&Fロイヤルビル2F
http://www.kandayunrin.com/
※月刊「近代食堂」2015年9月号に掲載した内容を再編集しています。