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プロのレシピ 2018.07.20
人気シェフのとっておき「ニッポン食材」活用レシピ
ウニのプディング 牡蠣とホタテのタルタル添え
日本には、こだわりの生産者が情熱を込めてつくる素晴らしい食材がたくさんあります。その誇るべき食材をクローズアップ! 人気店のシェフがとっておきの「ニッポン食材」と、その活用レシピを教えます。今回は生ウニの甘さを クリーミーなムースで 堪能させる一皿をご紹介します。
無添加生うに
選りすぐりの産地から集まる 生ウニを鮮度抜群のまま出荷
全国のすし店が絶大な信頼を寄せる創業昭和29年の ウニ専門加工会社の村上商店。 同社が扱うウニの中でも「無添加生うに」はミョウバン不使用で ウニ本来の濃厚な甘さが味わえるとすし以外の料理人からも注目される。 ミョウバンを使用したウニは粒がしっかりしているが、特有の渋みがある。 「ミョウバンの渋みは火を通すといっそう際立つ。生で食べるのは もちろん、火を通す料理にこそ無添加のものの方が ウニ本来の美味しさが引き出せる」(同社常務・石垣孝尚氏)。 同社では、北海道各地の漁連から旬のムラサキウニやバフンウニを仕入れ、 注文ごとに殻から取り出して箱詰めし、空輸で出荷する。 その鮮度に、すし店や和食店だけでなくフレンチやイタリアンの料理人からの 注文も増えている。
■㈱村上商店(TEL:0138-48-8311 http://www.uni-murakami.jp/)
ウニのプディング 牡蠣とホタテのタルタル添え
なめらかで濃厚な魚貝のプディングは
同店のスペシャリテのひとつ。
ミョウバンを使ったウニでは渋みが出てしまうため、
無添加のウニでウニ本来の甘みや旨みをぐっと立たせている。
ホタテはつなぎの役割。生地を真空包装機にかけて空気を
抜くことで、きめの細かさが生まれる。
参考売価2600円/原価1200円
■材料(テリーヌ型1台分・12~13皿分)
生ウニ…200g
生ホタテ貝柱…100g
トマトピューレ…150g
全卵…200g
生クリーム…150g
塩…適量
<仕上げ用(1皿分)>
ウニのプディング…2カット
★牡蠣とホタテのタルタル
黒胡椒…適量
ルッコラセルバチコ…適量
★牡蠣とホタテのタルタル
材料(1皿分)
生ホタテ貝柱…1個 生牡蠣…2個
エシャロット、くるみ、自家製ドライトマト、ピンクペッパー…各適量
くるみオイル、白ワインビネガー、塩…各適量
■作り方
1 ホタテ貝柱に塩を軽くふってまぶし、フードプロセッサーにかけ、
全卵とトマトピューレを加え、さらに生ウニを加えて撹拌し、なめらかな状態にする。
2 1をボウルに移し、生クリームを混ぜ合わせ、塩で味を調える。
3 2をバットに移し、冷凍庫で冷やす。
4 10℃以下まで冷やしたらバットごと真空包装機にかけ、空気を抜く。
空気を抜くことで、仕上がりがよりなめらかになる。
5 4をテリーヌ型に移し、アルミホイルをかぶせてフタをし、
スチームモード、温度80℃のスチコンに100分入れる。
6 粗熱を取ってから冷蔵庫で冷やす。
7 皿に牡蠣とホタテのタルタルを盛り、カットした6をのせ、
黒胡椒をふってルッコラセルバチコを散らす。
<★牡蠣とホタテのタルタルの作り方>
① バットに生牡蠣を並べ、スチームモード、温度80℃のスチコンで8分蒸す。
② ホタテ貝柱と蒸し牡蠣をひと口大に切り、みじん切りにしたエシャロット、
細かく切ったくるみとドライトマト、ピンクペッパーと合わせる。
③ くるみオイル、白ワインビネガー、塩を加え、味を調える。
「無添加生うに」を活かすPOINT
◦ 加熱調理で無添加こそのウニの味わいを活かす
◦ スモークの時間とチップの種類で香りづけの調整をする
【シェフ紹介】
『ミネバル』 シェフ 峯 義博氏
1978年生まれ。調理師学校を卒業後、スペイン料理店を始め
様々なジャンルの店で経験を積み、2011年に独立開業した。
2014年に現在の場所に移転。新しい素材や調理法に研究を重ね
素材の持つポテンシャルを引き出す技量に注目が集まる。
料理に対する飽くなき探求心により、研究に研究を重ねて
一皿の料理を作り出す峯シェフ。
その過程があるからこそ、一つ一つの工程にも説得力がある。
生ウニは同店のスペシャリテのプディングに。火を入れるからこそ
無添加のものをと、北海道の村上商店のミョウバン不使用の
「無添加生うに」を使用する。
■住所/東京都渋谷区神泉町13-13
ヒルズ渋谷B1階
※月刊「近代食堂」2017年3月号に掲載した内容を再編集しています