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プロのレシピ 2018.08.17

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とっておき「ニッポン食材」活用レシピ 
雪割茸のエスプーマ茶碗蒸し

日本には、こだわりの生産者が情熱を込めてつくる素晴らしい食材がたくさんあります。その誇るべき食材をクローズアップ! 人気店のシェフがとっておきの「ニッポン食材」と、その活用レシピを教えます。今回は「雪割茸のエスプーマ茶碗蒸し」をご紹介します。茸の濃厚なだしをソースで、歯応えを具で楽しめます。

月夜野きのこ園の『雪割茸』

山に自生するエノキ茸そのままに
野性味あふれる味、香りを再現

   白くひょろひょろとしたエノキ茸と一線を画す月夜野きのこ園の「雪割茸」は、
  山に自生する天然の姿に近く、25~30cmのサイズ感と野趣あふれる味と香りが特徴。
  根元に近いほど茶色の姿も自然の色。「野性味をアピールするために、見た目の色は
  あえて濃い茶色に、長さを出してボリューム感を出しています」と営業部の松井隆氏。
   温度や湿度、CO2、濃度、部屋のクリーンさなど、他の茸よりも環境管理が難しく、
  2010年から安定して栽培できるようになった。とはいえ、現在も同社の主力は
  椎茸で雪割茸は少量生産だという。一般のエノキ茸よりもだしが濃厚で、歯切れがよく
  噛み切りやすいと和食店を中心に鍋料理などへの引きも多く、人気が高まっている。

  ㈲月夜野きのこ園(HP:http://www.tsukiyono.co.jp TEL:0278-62-1673)

雪割茸のエスプーマ茶碗蒸し

   旨みと香りの強さに驚く雪割茸。歯応えを活かして肉巻きにもするが、
  ここではそのだしがよく出る特性を活かしてソースに。
  茶碗蒸しといっても、ジュレ、季節野菜、エスプーマ、雪割茸のソースを重ね、
   それぞれの味はもちろん、混ざり合って生まれるおいしさも楽しませたい。
  ●参考売価680円

■材料(作りやすい分量)
[雪割茸のソース]
 和風だし…200ml、雪割茸…100g、塩…少々、 薄口醤油…少々
[おだしのジュレ]
 和風だし…500ml、薄口醤油…100ml、みりん…100ml、板ゼラチン…1枚

[エスプーマ茶碗蒸し]
 絹豆腐…1丁
 ★卵豆腐…下記分量
 生クリーム…100ml
 具の野菜
   雪割茸、小松菜、赤・黄パプリカ、蓮根…各適量
 ミントの葉…少々
 ★卵豆腐(作りやすい分量)
  卵…2個
  和風だし…180ml
  塩…少々
 [作り方]
  ① 卵を溶きほぐし、和風だしを加えてのばし、塩で味を調える。
  ② 一度漉してから流し缶に流し、蒸し器で10分蒸す。

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■作り方
1 雪割茸のソースを作る。和風だしを沸かし、掃除した雪割茸を加えて煮る。
  雪割茸に火が通ったら塩と薄口醤油を加え、香りづけして火からおろす。
  粗熱が取れてからミキサーで回し、なめらかにする。
2 おだしのジュレを作る。和風だしと薄口醤油、みりんを合わせて火にかけ、
  アルコール分を飛ばしたら火を止め、水でふやかした板ゼラチンを加えて溶かす。
  保存容器に入れて冷やし固める。
3 エスプーマ茶碗蒸しを作る。材料をすべて合わせてミキサーで回し、
  なめらかにする。ガスを充てんしたエスプーマの容器に入れる。
4 具の野菜を別に用意しておく。雪割茸は細かく切り、下茹でする。他の野菜は
  季節のものを使い、それぞれ下茹でして食べやすい大きさに切る。
5 グラスにおだしのジュレを注ぎ、具の野菜をのせ、エスプーマ茶碗蒸しを絞り出し、
  雪割茸のソースをかける。ミントの葉を飾る。

「雪割茸」を活かすPOINT
◦ 雪割茸のだしで煮て濃厚な旨みエキスをソースにする
◦ シャキシャキとした歯応えをエスプーマのアクセント

      【シェフ紹介】
      『晩酌屋 おじんじょ』
      店長 渡辺慎一郎氏

       アルバイトで入ったやきとり居酒屋で「好きなものを作ってお客さんに楽しんでもらう喜び」を知り、本格的に飲食業界に入る。
       現在、店長として調理を担い、食材探しにはじまり、オリジナリティあふれる同店の新メニュー開発にも携わっている。
       オーナーの地元・広島の「瀬戸田レモン」や「みはら神明鶏」などを使い、定番のレモンサワーや鶏のオーブン焼きに、圧倒的な素材力をプラスしてメニュー化し、人気を博している同店。「素材のよさを活かすため、シンプルに食材を使い、加工しすぎないようにしています」と店長の渡辺慎一郎氏は話す。
       「雪割茸」は、野性味あふれる味と歯応え、サイズ感を活かし、肉巻き天ぷらとして定番メニューに。今回は、だしがよく出る雪割茸の特質を活かして冬の季節メニューに。
       なめらかなエスプーマ茶碗蒸しをコク深く仕上げた。

      ■住所/東京都渋谷区恵比寿西2-2-10 西牧ビル1階
      https://m.facebook.com/profile.php?id=147108508791302

※月刊「近代食堂」2017年10月号に掲載した内容を再編集しています