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プロのレシピ 2018.08.29

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とっておき「ニッポン食材」活用レシピ★
かぼちゃの甘みを活かしたスイートポテト

日本には、こだわりの生産者が情熱を込めてつくる素晴らしい食材がたくさんあります。その誇るべき食材をクローズアップ! 人気店のシェフがとっておきの「ニッポン食材」と、その活用レシピを教えます。今回は、秋めいてきたこの時期にぴったりのスイートポテトを紹介。南信州の伝統野菜「清内路かぼちゃ」を使ったレシピです。

清内路かぼちゃ

緻密で濃厚な果肉を持つハート形の伝統かぼちゃ

長野県阿智村清内路では伝統野菜が数多く現存しており、南信州で選定されている伝統野菜22種類のうち、5種類が清内路地区のもの。中でも清内路かぼちゃは水分が少なく、ほくほくとした栗のような甘さが楽しめると人気。可愛らしいハート形の外見と相まって、料理だけでなく、スイーツでの需要も高い。南信州の伝統野菜を守る活動を続けるシニア野菜ソムリエのクボジュンさんによると、「甘みを生かしてプリンやシフォンケーキにしたところ、人気に火がつきました」。ただし、1株から1~2個しか収穫できないという、貴重な野菜。長年の間に自然交配が進んでしまったため、本来の形や色に戻すのが今後の課題だという。煮崩れしにくいため、煮物や焼き物、揚げ物などいろいろな料理に活用できる。

清内路伝統野菜保存会(阿智村役場清内路振興室内 ☎0265-46-2001)

清内路かぼちゃのスイートポテト

清内路かぼちゃは水分が少なく、甘みが強い。このほくほく感と甘みを生かすため、かぼちゃに加える砂糖やバター、生クリームなどの量を極力減らし、素材感を大切に。これにより、ローストしただけの土台の皮の部分ともうまくつながる。
●参考売価550円/原価210円

■材料(10人前)
清内路かぼちゃ 1/4個(約450g)
バター(常温に戻したもの) 20g
砂糖 50g
生クリーム 大さじ1
全卵 1個
塩 ひとつまみ
ラム酒 少々
卵黄 適量
かきの木茸 適量
コンポート液 適量

■作り方
1 かぼちゃは食べやすく切り分け、種とワタを取り除いてローストする。
果肉と皮に分け、果肉の部分を裏ごしにかけ、温かい状態でバター、砂糖、生クリーム、全卵、塩をよく混ぜ合わせ、香りづけのラム酒を加える。
2 残りの皮の上に1の果肉を盛り、卵黄をぬり、180℃のオーブンで約5分焼く。
3 器に盛り、コンポート液につけて乾燥させたかきの木茸を飾る。

「清内路かぼちゃ」を活かすPOINT
◦ローストすることで甘みをより凝縮する
◦加える砂糖、油脂類は最小限に抑える

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【シェフ紹介】
Coulis(東京・新富町) オーナーシェフ 折笠龍馬氏

2009年4月にオープン以来、夜のディナーは10皿以上の皿を出すおまかせコース1本のみ。「自分の好きな料理をやろう」と旬の食材を最もよい状態で提供することに力を注ぎ、お客からの支持を得ている折笠シェフ。惚れ込んで使う食材の一つに長野の伝統野菜がある。
今回その中から選んだ「清内路かぼちゃ」は、秋にぴったりのデザートで提供。甘みの強い「清内路かぼちゃ」は、ローストして甘味を引き出してからスイートポテトに仕立てる。

長野の『ヴィラデストガーデンファームアンドワイナリー』でシェフを務めたのち、独立。2009年に『クーリ』を築地に近い新富町にオープンした。野菜は築地のほか農家から直接仕入れ、常に新鮮な野菜を使った遊び心あふれる皿を提供。昼は「15種類の野菜と本日のおまかせ前菜」を組み込んだセットメニュー、夜は旬の野菜や肉、魚を組み込んだ10皿以上の「おまかせコース」5500円で人気を集める。
■住所/東京都中央区新富2-10-10 2F
http://http://www.coulis23.com/

※月刊「近代食堂」2015年10月号に掲載した内容を再編集しています