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プロのレシピ 2018.09.12
人気シェフのとっておき「ニッポン食材」活用レシピ★
活け南蛮エビの旨み凝縮!絶品スープ
日本には、こだわりの生産者が情熱を込めてつくる素晴らしい食材がたくさんあります。その誇るべき食材をクローズアップ! 人気店のシェフがとっておきの「ニッポン食材」と、その活用レシピを教えます。今回の食材は、新潟・佐渡産の南蛮エビ。南蛮エビの頭からとる濃厚な旨みのスープに、活けの身を合わせたビスクのレシピです。
佐渡産南蛮エビ
佐渡沖で獲れたての鮮度の良さが魅力
南蛮エビは甘エビの別名で、赤唐辛子(南蛮)に似ていることからこの名がある。佐 渡では、近海の佐渡沖で水深400mの海底からエビ籠漁で漁獲され、すぐに競りにか けられるので、その鮮度感は抜群。さらに最近注目が集まっているのが、活きた南蛮 エビを海洋深層水に入れ、活かした状態で出荷する“活け”の南蛮エビだ。南蛮エビのイメージを覆すプリプリの食感と希少性にジワジワと人気が広がっているという。10月下旬から7月まで出荷。生の南蛮エビはもちろん、急速冷凍した南蛮エビの頭もだしやスープへの利用に注目が集まる。
■チーム佐渡島(http://www.sadotokusen.jp/team_sadogashima
佐渡産活け南蛮エビのビスク
ビスクには伊勢エビやオマールエビを使用することが多いが、南蛮エビの頭なら殻を割る手間もなく使いやすい。ただし、から焼きにするひと手間は必要。これにより、香ばしく雑味の少ないスープが取れる。熱いスープを流し込み、ほどよく火を入れ、より素材感を浮き立たせる。
●参考売価980円/原価295円
■材料(10 人前)
活南蛮エビ(佐渡産) 10尾
南蛮エビの頭(佐渡産/冷凍) 750g
玉ネギ 1個
人参 1/2本
セロリ 小1本
ニンニク(皮付き) 3片
サラダ油 適量
トマトペースト 30g
白ワイン 50ml
コニャック 20ml
水 2.5ℓ
ローリエ、ハーブの茎など 各適量
塩 適量
水溶きコーンスターチ 適量
生クリーム(38%) 80g
バター 40g
■作り方
1 南蛮エビの頭は自然解凍し、水気を切って天板に並べ、香ばしい香りが立ってくるまでオーブンでから焼きにする。
2 別鍋にサラダ油をひいて香味野菜をじっくり炒め、トマトペースト、から焼きにした南蛮エビの頭を入れて炒め合わせる。
3 白ワイン、コニャック、水、ローリエとハーブの茎を加え、沸いてきたら、最初に浮いてくるアクのみを軽く一回だけ取り、表面が軽く沸く程度の火加減で煮出す。
4 30分ほど煮出したらムーラン(漉し器)にかけて鍋に漉し取り、再度火にかけて塩で味を調え、水溶きのコーンスターチでうっすら濃度をつける。少し濃度をつけることで、舌に残り、味の印象が強まる。
5 提供時に小鍋に移し、生クリーム(1人前8g)を加えて沸かし、火を止めてからバターを(1人分4g)を入れ、バーミックスで表面に泡を作る。
6 保温したスープ皿に、頭を取って殻をむいた活けの南蛮エビを入れ、5を流し入れる。
「佐渡産南蛮エビ」を活かすPOINT
◦から焼きにすることで旨みをより引き出す
◦活けの食感、味を浮き身で楽しませる
【シェフ紹介】
Brasserie La・mujica(東京・目白) オーナーシェフ 梶村良仁氏
「現地で生産者の方と会い、食材を知ることで料理も変わってくる」と、生産の現場に積極的に足を運び各地の食材を発掘する梶村シェフ。自身が知っていた以上の、最上のものを知ることで、同じ料理でも作り方が変わってくるという。今回紹介してもらった南蛮エビも実際に産地・佐渡島で味わったもの。現地で活けのものを使い、その場で頭と殻をむき、即興でビスクを作った。「活きている南蛮エビのポテンシャルの高さに、より想像力をかき立てられた」という。
1976年生まれ。高校卒業後、料理の道へ。グランメゾンからビストロまで幅広く経験を積み、渡仏。南仏のオーベルジュやパリの星付きレストランで、本場の料理を学ぶ。帰国後、東京會館ユニオンクラブを経て、2008年に同店をオープン。カジュアル・フレンチの店ながら、伝統的な料理から独創性あふれる料理まで提供して人気を集める。各地の食材をテーマにしたフェアも定期的に開催。
■住所/東京都豊島区目白3-14-21
http://lamujica.com/
※月刊「近代食堂」2015年11月号に掲載した内容を再編集しています