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プロのレシピ 2018.09.14

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とっておき「ニッポン食材」活用レシピ
ゴボウの肉巻き

日本には、こだわりの生産者が情熱を込めてつくる素晴らしい食材がたくさんあります。その誇るべき食材をクローズアップ! 人気店のシェフがとっておきの「ニッポン食材」と、その活用レシピをお教えします。今回はゴボウの太さと食感を活かし、相性のよい豚肉で 引き立てる「ゴボウの肉巻き」をご紹介します。

わだのごぼう

肥料に"海" "山" のものを使用。
生食も可能な高糖度のゴボウ

 農業の盛んな北海道十勝地方にある㈲和田農園産の「わだのごぼう」(商標登録)。「保育園の子供たちがお代わりをしたくなるような野菜を作りたい」と、代表の和田政司氏が土作りからこだわり、肥料には昆布や海藻等の“海のもの”、米ぬかや菜種粕等の“山のもの”を使って有機物で土作り。
 除草剤を使わず手で草取りする等、農薬も極力使わず、安心・安全な野菜を作っている。ミネラルバランスの整った土で育てることで、同農園のゴボウは糖度が18%以上、時には20%にもなる。
 生食でも繊維が噛み切れて歯応えよくおいしく食べられる。ジュースやサラダ、素揚げ等もおすすめ。収穫期は9月下旬から3月上旬。

■㈲和田農園(℡0155-64-4732 Fax0155-64-5348)

ゴボウの肉巻

 太くて食感のよいゴボウに、相性のよい豚肉を組み合わせてご馳走感アップ。
ゴボウは四つ割にして3本重ねで使用し、食べやすさと食感のよさを工夫。煮過ぎると折角の食感が損なわれ、甘みも抜けてしまうので、煮込み過ぎには注意。
 煮汁に漬けて保存すれば1週間弱日持ちする。
 ●参考売価600円/原価200円

■材料(二人前)
ゴボウ(わだのごぼう)…7㎝幅×3本
豚バラ肉スライス…160g
もり汁…適量
味醂…適量
砂糖…適量
白髪ネギ…適量
辛子…適量

■作り方
1 ゴボウは、太さのあるところを7㎝幅に切り揃え、四つ割りにする。
2 1を下茹でする。鍋に水を張り、ゴボウを入れて火にかけ、
  沸騰した状態で15分茹でておか上げする。
3 2のゴボウを3本ずつまとめ、豚バラ肉スライスで巻く。
4 もり汁に味醂、砂糖を加えた親子丼用のつゆ7に対し、もり汁3の割合で
  合わせたつゆを小鍋に張り、3を煮込む。沸騰したら弱火にし、10~15分ほど煮込む。
5 あら熱がとれたら、4を煮汁ごとタッパーに移し、冷蔵庫で保存する。
6 注文ごとにゴボウの肉巻きを煮汁とともに温める。半分にカットし、器に盛る。
  白髪ネギ、辛子を添える。

「わだのごぼう」を活かすPOINT
◦ 四つ割りにし、食べやすくかつ食感を活かす
◦ 相性のよい豚肉と組み合わせる

【シェフ紹介】
国分寺そば(神奈川県・海老名市)
料理長 菅谷昌寿氏

 素材本来の味を残し、それに少し手を加えるぐらい。 なるべくよいものをそのまま提供しています」と『国分寺そば』料理長の菅谷氏。
店主の市川雅史氏が全国各地の産地を巡り、生産量が少なかったり、手間がかかったりして あまり市場に出回っていない希少な食材を発掘。 菅谷料理長とともに皆で相談し、それぞれの食材に適した料理としてメニュー化する。
■住所/神奈川県海老名市国分南1-8-35

※月刊「近代食堂」2016年1月号に掲載した内容を再編集しています