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プロのレシピ 2018.10.03

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人気シェフのとっておき「ニッポン食材」活用レシピ★
粉末醤油を添えて。白子と山菜の蜂の巣揚げ

日本には、こだわりの生産者が情熱を込めてつくる素晴らしい食材がたくさんあります。その誇るべき食材をクローズアップ! 人気店のシェフがとっておきの「ニッポン食材」と、その活用レシピを教えます。今回紹介する食材は、老舗醤油蔵がつくるフリーズドライの”醤油”。白子と山菜の蜂の巣揚げに添え、香ばしい風味を楽しませる一品です。

かめびしの「ソイソルト」

老舗醤油蔵から生まれたフリーズドライの“醤油”

1753年創業、260年余りの歴史を持つ老舗醤油会社の㈱かめびし。伝統製法のむしろ麹法にこだわり続ける一方、新製品開発に熱心に取り組んでいる。ソイソルトは、自社製の醤油をフリーズドライにしたオリジナルの調味料。「醤油でもない、塩でもない新しい調味料です。軽くて持ち運びに便利。料理にアクセントとして活かせます。通常フリーズドライにすると味がぼやけて感じられるようになってしまうところ、味わいのしっかりした醤油を使うことで、力のある味わいを残しています」(代表取締役・岡田佳織氏)。再仕込み醤油の「三年醸造」、薄口醤油の「うすくち」の他、スパイス等を加えた「青唐辛子&にんにく」、「バルサミコ」等計5タイプを販売。

■㈱かめびし(http://www.kamebishi.com)

白子と山菜の蜂の巣揚げ

そば粉やベーキングパウダーを加えた衣を使い、中はふわっと、外はカリッと仕上げた天ぷら。揚げる前の衣は重く固まりやすいため、ボウルに素材と少量の衣を取り分け、丁寧にまぶす。ソイソルトをかけて食べると、せんべいやおこげのような香ばしさがふわっと広がる。
●参考売価1000円/原価310円

■材料(1人前)
タラの白子 25g
タラの芽 適量
姫筍 適量
コゴミ 適量
フキノトウ 適量
★天ぷら衣 適量
白絞油 適量
「ソイソルト 三年醸造」 適量

★天ぷら衣の作り方
材料(一回の仕込み量)
そば粉100g、片栗粉100g、ベーキングパウダー8g、水適量
作り方
そば粉、片栗粉、ベーキングパウダーを混ぜ合わせ、水で溶く。ガスが発生してくるので、潰さないようにざっくりと混ぜる。
 

    ■作り方
    1 タラの白子は、ひと口大に切り、さっと霜降りにして水気を切る。タラの芽、姫筍、コゴミ、フキノトウは、それぞれそうじして適度にカットする。
    2 1の白子をボウルに入れ、天ぷら衣を適量加え、表面にまぶす。170℃の白絞油でさっと揚げる。
    3 野菜類をボウルに入れ、天ぷら衣を適量加え、白子よりも薄めに表面にまぶす。170℃の白絞油でさっと揚げる。
    4 2、3を器に盛り付け、「ソイソルト 三年醸造」を添える。

    「かめびしのソイソルト」を活かすPOINT
    ◦香ばしいそば粉の衣にさらに香りをプラス
    ◦別添えにすることで食感のアクセントにも

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    【シェフ紹介】
    あんぷく 虎ノ門店(東京・虎ノ門)店主 安江勇治氏

    和洋取り入れた創作性の高いメニューづくりのため、多方面にアンテナを張り巡らせ、常に新たな食材探しを行なっている『あんぷく』の安江氏。ソイソルトは、粒子が大きく香りがたつので、主に香ばしい香りを付ける目的で使用。「海外のシェフから見たらスパイスの一種として使われたりするのでは」と、可能性の高さに注目している。
    19歳で入店した懐石料理店を皮切りに、ニューヨークのレストランのシェフ等を務める。その幅広い経験と調理技術を活かし、和洋中取り混ぜた創作うどんの『あんぷく』を池袋に出店。現在2店舗を展開する。
    2014年6月開業の商業施設・虎ノ門ヒルズに出店した虎ノ門店は、創作うどんとおでんを中心にサラリーマンを集客。客単価は昼1000円、夜2500円。

    ■住所/東京都港区虎ノ門1-26虎ノ門ヒルズ4F

    ※月刊「近代食堂」2015年2月号に掲載した内容を再編集しています