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プロのレシピ 2018.11.07
人気シェフのとっておき「ニッポン食材」活用レシピ★
美しい色彩を生かした、白菜のすり流し椀
日本には、こだわりの生産者が情熱を込めてつくる素晴らしい食材がたくさんあります。その誇るべき食材をクローズアップ! 人気店のシェフがとっておきの「ニッポン食材」と、その活用レシピを教えます。今回紹介する食材は、寒くなるにつれ美しいオレンジ色に発色する「オレンジクイン白菜」。冬にぴったりの椀物に仕立てました。
NOTO高農園のオレンジクイン白菜
きれいな色味が大きな特徴。生食にも加熱にも向く
有名レストランのシェフたちから絶大な信頼を得ているNOTO高農園。能登の地でレストラン仕様の野菜を年間300種類以上作り続ける。代表の高 利充氏は、取引先のシェフとやり取りを重ねて野菜を改良していくこともするという。「こんな色の野菜がほしい、このお皿にはこれくらいの大きさの野菜がほしいと、実際にお店で出してもらえるので形が見えるんです」(高氏)。美しいオレンジ色が特徴の「オレンジクイン白菜」は、冬の寒さにあたって発色する野菜。えぐみもクセもない。低温でじっくりローストすれば、甘みや旨みがぐっと出てくるという。自分 の作った野菜がどう料理されるか、収穫後の姿まで想像する野菜づくりに名だたる料理人が共鳴する。
■NOTO高農園(☎0767-85-2678)
蒸し鶏とオレンジクイン白菜のすり流し
発色のよい葉の部分をすり流しに、甘みのある芯部分を椀種に用い、オレンジクイン白菜を丸ごと味わう椀ものに。さっと塩茹でした葉部分をピューレ状にしてだしと合わせ、淡いオレンジの色彩とやさしい味わいを楽しませる。店ではコースの一品として提供。
●参考売価700円/原価140円
■材料(一回の仕込み量)
オレンジクイン白菜 1株
塩 適量
吸い地(やや濃いめ) 適量
だし (カツオと昆布でとったもの) 適量
鶏 だし(鶏ガラでとったもの) 適量
蒸し鶏
鶏ムネ肉 1枚
鶏モモ肉 2枚
塩 、昆布、酒、水、ネギ頭、生姜、だし 各適量
柚子皮 適量
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■作り方
1 蒸し鶏をつくる。鶏ムネ肉とモモ肉に塩をふり、霜降りにする。バットに昆布をひいた上に鶏肉を並べ、酒と水をひたひた程度注ぐ。ネギ頭、生姜を加え、1時間ほど蒸す。蒸しあがった鶏肉はだしに漬け、ひと晩置いておく。
2 オレンジクイン白菜は、葉先と芯の部分に切り分ける。葉先の部分はザク切りにし、さっと塩茹でしたのち、氷水に落とす(色味をきれいに保つため)。水気を絞り、クイジナートで回す。ピューレ状になったらクッキングペーパーを敷いたザルに上げ、少し置いて水気をとる。
3 オレンジクイン白菜の芯の部分は、食べやすい長さで細めの短冊切りにする。さっと塩茹でしたのち、氷水に落とす。水気を切り、やや濃いめの吸い地につけておく。
4 小鍋にだしと鶏だしを同割りで合わせ、加熱する。沸いたら2のオレンジクイン白菜のピューレを加えてのばし、さっと温める(2人前で合わせだし240ml、ピューレ30gが目安)。
5 1の蒸し鶏をほぐしたもの、3のオレンジクイン白菜の芯を合わせ、さっと温める(1人前に各25g目安)。椀に盛って4を注ぎ、柚子皮をふる。「オレンジクイン白菜」を活かすPOINT
◦葉と芯部分を使い分け、きれいな色味を最大限に活かす
◦芯部分は食感を活かしつつ、加熱することで甘みアップ【シェフ紹介】
青山 杏亭(東京・青山)店主 風間 泰氏産地へ積極的に足を運び、“生産者の顔が見える”こだわりの食材を発掘。その生産者の思いまでを料理にのせて届けることをモットーにする『青山 杏亭』の風間泰氏。全国各地より、産直で四季折々の旬の食材が店に届く。今回紹介する食材の生産者も、独立前からの長い付き合いだ。石川県の食品展示会で出会ったという『NOTO高農園』は、「西洋野菜を含め、目新しい品種も積極的につくられているので、いろんな野菜にチャレンジする良いきっかけになります」と風間氏。今回は、きれいな色味が特徴のオレンジクイン白菜を椀ものに仕立てた。
都内の和食店で経験を積み、長く料理長を務めたのち2012年に独立。1日5組限定の完全予約制『青山 杏亭』をオープンする。全国各地の選りすぐりの生産者より産直で食材を仕入れ、“生産者の思いを伝える”料理を提供する。
季節の食材をふんだんに盛り込む、おまかせコース(5300円~)のみの完全予約制で営業。女性客が7割を占める。
■住所/東京都港区南青山3-2-3カトレアビル3F
※月刊「近代食堂」2016年2月号に掲載した内容を再編集しています
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