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プロのレシピ 2018.11.30
人気シェフのとっておき「ニッポン食材」活用レシピ 春野菜の白和え
日本には、こだわりの生産者が情熱を込めてつくる素晴らしい食材がたくさんあります。その誇るべき食材をクローズアップ!人気店のシェフがとっておきの「ニッポン食材」と、活用レシピを教えます。今回は「春野菜の白和え」をご紹介します。春が待ち遠しくなる、シーズンにはピッタリな一品です。
ノリランカ農園の野菜
自然の理”を大切にしながら 生命力の強い野菜をつくる
岡山・吉備中央町の「ノリランカ農園」の野菜を 「他の野菜に比べて香りが強い」と話す『にほん酒や』の高谷氏。 その印象通り、同農園では、大量生産のために品種改良された F 1種ではなく、地域の気候風土に根差した固定種のタネを自家採取し、 「土も耕すことも雑草も抜くこともしない“自然農”」で育てる。 雑草は抜くことはしないが、刈って畝に敷き、 少しずつ土壌を変えていく方法をとるため、時間はかかる。 「食べた人が元気になるような作物を作りたい」との考えで行なう栽培法が、 ノリランカ農園の野菜や穀物の生命力が強いと評されるゆえんだ。 時季に採れる野菜をおまかせのセットでも販売する。
■ノリランカ農園(HP:http://norilanka.exblog)
春野菜の白和え
時季の山菜も摘みたてを直送してもらう。 鮮度がいい分、つくしもアクが出ず、生で使用。 かんぞう、のびると都会では珍しい山菜に白和え衣をかけて、 燗の日本酒がすすむ仕立てに。 白和え衣には定番のゴマの代わりに カチョッタチーズを加え、ミルクのコクで味を深める。 ●参考売値850円/原価280円
■材料(1人前)
かんぞう(ノリランカ農園)…適量
のびる(ノリランカ農園)…適量
つくし(ノリランカ農園)…適量
白和え衣
木綿豆腐…適量
きび砂糖…適量
淡口醤油(奈良片上醸造の淡色)…適量
塩(ゲランド)…適量
カチョッタチーズ(イル・リコッタ―ロ)…適量
■作り方
①かんぞうとのびるはさっと熱湯で茹でてザルに取り、
水気を切って食べやすい長さに切る。
② つくしは食べやすい長さに切る。
③ 軽く水を切った木綿豆腐をあたり鉢であたり、
きび砂糖、淡口醤油、塩を加えて味を調え、カチョッタチーズを
すりおろして混ぜ合わせ、白和え衣を作る。
④ ①と②を器に盛り、③の白和え衣をかける。
【店長紹介】
『にほん酒や』
店主
高谷謙一氏
サラリーマン生活を経験後、飲食業界へ。
都内居酒屋などで調理の経験を10年積み、2009年に同店をオープン。
季節の素材を使って丁寧に作られる酒肴に定評がある。
厳選する日本酒はすべて燗に合うかどうか。
その独自の感性でファンを摑む。
店内客席には江戸時代の盃台をセット。
酒を盃に注ぎやすい高さで、一人呑みでも“燗酒”をおいしく
楽しませる。酒に合う料理と厳選の日本酒で人気だ。
■住所/東京都武蔵野市吉祥寺本町2-7-13
レディーバードビル101
※月刊「近代食堂」2017年5月号に掲載した内容を再編集しています