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プロのレシピ 2018.08.27
人気シェフのとっておき「ニッポン食材」活用レシピ★会津喜多方産グリーン アスパラの炭火焼き
日本には、こだわりの生産者が情熱を込めてつくる素晴らしい食材がたくさんあります。その誇るべき食材をクローズアップ! 人気店のシェフがとっておきの「ニッポン食材」と、その活用レシピを教えます。今回は、炭火で炙って食感を 活かし、甘みを引き出した一品です。
会津喜多方産グリーン アスパラの炭火焼き
完全無農薬の露地栽培で、 甘みを蓄えたアスパラガス
家族経営で30年近くアスパラガス栽培を営む福島県喜多方市の農園。 3代目・五十嵐正次氏は無農薬栽培に精通する知り合いの農家に感化さ れ、より安心・安全な栽培法を目指し、2013年から完全無農薬に切り 替えた。露地栽培のみで育て、収穫は4月下旬から5月下旬、6月下旬 〜9月下旬の年に2回。「畝にクローバー(豆科)を生やすことで空気中 の浮遊体窒素が土に固定され、根の力によってやわらかい土になって水 はけがよくなる。害虫対策として、ニンニクや唐辛子の抽出液も散布し ます」と五十嵐氏。その味わいの特徴は、えぐみのない甘みの強さ。露 地栽培のため光合成も強く、アスパラガス本来の香りもよくなる。食感 を活かした焼き物、炒め物のほか、漬け物にしてもおいしいという
■五十嵐正次 住所:福島県喜多方市山都町木曽(字)519-4 TEL:090-1064-4685
会津喜多方産グリーンアスパラの 炭火焼き
アスパラガスの甘みや香りを最大限に
活かすため、炭火で炙って、調味料は
塩とオリーブオイルでシンプルに仕上
げた。オーブンではなく、炭火で焼くこ
とでアスパラガスにほどよく火が入り、
食感を活かすことができる。福島の郷土
料理で自家製のイカ人参を添えて提供。
●参考売価1200円/原価380円
■材料(1皿分)
グリーンアスパラガス…2本
生ハム…適量
★イカ人参…適量
塩…適量
EXオリーブオイル…適量
★イカ人参
低温で火を入れたヤ
リイカと人参を細切
りにし、コラトゥー
ラ(イタリアの魚醤)
と白ワインを1:1の
割合で加え、ひと晩
漬ける。
■作り方
① グリーンアスパラガスは根元の皮をピーラーで剥き、2等分にする。
② ①を焦げないように転がしながら、炭火で焼く。
③ 皿に②を盛り、生ハム、イカ人参を添える。アスパラガスに塩をふり、全体にオリーブオイルをかける。
「グリーンアスパラガス」を活かすPOINT
◦塩はごく少量にし、素材本
来の味を引き出す
◦炭火で軽く炙ってアスパラ
ガスの食感を活かす
【シェフ紹介】
OSTERIA IL LEONE(東京・新宿御苑)シェフ・二瓶亮太氏
1974年、神奈川県生まれ。イタリア・フィレン
ツェにて4年間修業し、トスカーナ料理の真髄
を学ぶ。帰国後、神奈川・関内『ヴィア トスカ
ネッラ』で約7年間、シェフとして腕をふるう。
2015年2月、『イル レオーネ』のシェフに就任。
「食べてイタリアの文化を知ってほしい」と
いう二瓶シェフ。伊ワインは100種以上揃う。
客単価は昼約1000円、夜約5000円。
「イタリア・トスカーナ地方の伝統料理」を
テーマに、まるでイタリアにいるかのような
味わいと空間を提供する東京・新宿御苑の
『OSTERIA IL LEONE』。シェフ・二瓶亮太
氏は、福島県出身の祖父母をもち、東日本
大震災以降はボランティアに参加するなど、
地元福島県を応援し続けている。今回紹介
する2品について「五十嵐さんのアスパラ
ガスは露地栽培で、甘みと香りがとても強
いです」と二瓶氏は話す。その他、会津の在来種野菜「会津伝統野菜」
も積極的に使うなど、国産食材に対する思
いは強い。また、野菜を切っておく仕込みは、
基本的に前日には行わず、当日直前に処理
することで、素材本来のおいしさや香りを
料理に活かしているという。
■住所/東京都新宿区新宿2-1-7
https://illeone.jimdo.com/
※月刊「近代食堂」2017年10月号に掲載した内容を再編集しています