人気シェフのとっておき「ニッポン食材」活用レシピ★椎茸酒 – 旭屋出版

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プロのレシピ 2018.08.21

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人気シェフのとっておき「ニッポン食材」活用レシピ★椎茸酒

日本には、こだわりの生産者が情熱を込めてつくる素晴らしい食材がたくさんあります。その誇るべき食材をクローズアップ! 人気店のシェフがとっておきの「ニッポン食材」と、その活用レシピを教えます。今回は、椎茸だしに日本酒を加え、 旨みと甘みの調和を表現した一品です。

原木干し 椎茸どんこ

標高600mの圃場で育てる 強い旨みを持った希少な乾し椎茸

愛媛県内標高600mの圃場にて大野正純氏が生 産する「原木干し椎茸どんこ」。専用乾燥機で 20時間以上をかけて乾燥させる。品種は菌興種 菌240号のどんこ(5〜6分開き)を用い、肉厚 で、旨みが強く、香り高い点が特徴だ。元会社 員の大野氏は53歳(2008年)で山を購入し、椎茸栽培をはじめ、55歳 で退職して圃場の隣でログハウス生活を送っている。「湿度、気温など微 妙な変化によって生育速度が変わるので、常に椎茸から目を離さず、最 高の状態で収穫を行ないます」という大野氏。希少なため、自然食品店 や高級スーパーに卸すほか、都内飲食店では『kiki』のみに卸している。

■販売元:㈱バイオコスモ 住所: 神奈川県伊勢原市歌川2-3-2 URL:https://biocosmo.co.jp

 

椎茸酒

日本酒の中でも、辛口の山形県「羽陽 男山」(純米吟醸)が椎茸の旨みと相性 がよく、後を引く香り高い一杯に仕上 がる。同店では2017年3月現在、夜メ ニュー「菜の花とオリーブの焼きおにぎ り」に、この椎茸酒をペアリングとして 提供している。
●参考売価900円/原価150円

■材料(1人分)
★原木干し椎茸どんこのだし…30g
日本酒(「羽陽 男山」純米吟醸)…60g

★原木干し椎茸どんこのだしの作り方
材料(作りやすい分量)
 原木干し椎茸どんこ…10g 水…300g 塩…2g
★作り方
① 乾し椎茸は、ひと晩水に浸して戻しておく。
② 鍋に、①を戻し汁ごと入れて火にかける。ひと煮立ちしたら弱火にして蓋をし、約10分煮る。途中、アクが出たら取 り除く。
③ ②に塩を加えて味を調える。
④ ザルにあげ、椎茸の身をスプーンで押して最後の1滴までだしをとる。再度、ペーパーを敷いたザルで漉す。粗熱が とれたら、冷蔵庫で保存する。

■作り方
① 提供用のグラスに、原木干し椎茸どんこのだしを注ぎ、日本酒を加えて混ぜる。

「原木干し椎茸どんこ」を活かすPOINT
◦だしは2回漉し、味と口当 たりをよくする
◦辛口の日本酒を加え、椎茸 の旨みを引き立てる

【シェフ紹介】
kiki(東京・原宿)オーナーシェフ・野田雄紀氏

1983年静岡県生まれ。西焼津『Bon Courage』、パリ『Taillevent』『Petit Troquet』などで修業後、神楽坂『Lugdunum Bouchon Lyonnais』副料理長を経て、 2011年8月に『kiki』を開業する。
創造性豊かな料理は特に女性に人気で、客単 価は昼6000円後半、夜9000円〜。観光目的 の外国人客も多いという。
『kiki』では、フレンチをベースに日本食 材を取り入れた料理をコーススタイルで 提供。オーナーシェフ・野田雄紀氏が生 み出す味の融合を一皿に表現し、ガスト ロノミック(美食的)な料理を売りとす る。今回紹介する「原木干し椎茸どんこ」は知人を通し て出会ったという。「標高600mの山 中で育った肉厚の椎茸どんこは、信念をもっ て手づくりする背景に共感しました」と話 す野田氏。生産者がどれほどの努力を重 ね、よりよい品を生み出しているかという 背景を知ることも重視している。また、野 田氏は煎茶やほうじ茶といった日本茶を スープに用いるなど、日本食材を柔軟な 発想で取り入れ、独自の料理を生み出す。
■住所/東京都渋谷区神宮前6-9-9  アヴニール表参道1F
http://kikioishii.com/

※月刊「近代食堂」2017年5月号に掲載した内容を再編集しています