人気シェフのとっておき「ニッポン食材」活用レシピ★芋茎とあわびの葛煮 | 旭屋出版

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プロのレシピ 2018.10.22

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人気シェフのとっておき「ニッポン食材」活用レシピ★芋茎とあわびの葛煮

日本には、こだわりの生産者が情熱を込めてつくる素晴らしい食材がたくさんあります。その誇るべき食材をクローズアップ! 人気店のシェフがとっておきの「ニッポン食材」と、その活用レシピを教えます。葛餡に、アワビの旨みと 芋ずい茎きの歯応えを合わせた一品です。

そのべ農園のずいき

食感を楽しむ食材! 150cmにも育つヤツガシラの茎

今回紹介する「芋茎」とは、イモの一種であるヤツガシラの葉柄(茎) のことで、色は紫がかった赤色が一般的だ。繊維質が多く、シャキッと した食感が特徴で、水分を吸いやすい点から煮物や和え物、酢漬けなど に向く。芋茎は、張りがあって太いものが良品とされている。千葉・柏 市「そのべ農園」(3代目・園辺一かず敬のり氏)ではイチゴ栽培を主に、30〜 40品種の野菜類を栽培。芋茎は、土中に育つヤツガシラも出荷するた め、芋が育つぎりぎりまで葉柄を残し、10月中旬〜11月の霜が降りる 頃で葉柄(芋茎)の収穫を行なうという。今年は雨が多かったこともあり、 約150cmと背高く育ったという。芋茎の皮をむいて天日干しした乾物「芋 がら」も直売所にて販売している。

■問い合わせ先:そのべ農園 住所:千葉県柏市鷲野谷稲荷峠113-2 TEL:04-7193-1105 URL:http://sonobenouen.com/photo1.html

 

芋茎とあわびの葛煮

大根のおろし汁を使い、芋茎を充分に アク抜きする下処理がポイント。また、 アク抜き後の芋茎を八方だしで一度煮 こぼしてから、再度八方だしで煮ること で、より味のよい状態に仕上がるという。 合わせる食材はアワビのほか、スッポン ともよく合う。
●参考売価2800円/原価1100円

■材料(2皿分)
芋茎…1本(約150cm)
A
 だし(昆布とカツオ節でとったもの)…適量
 塩…適量
 薄口醤油…適量
 味醂…適量
吉野葛(葛粉:水=1:3で溶いたもの)…適量
アワビ(ごく薄くスライス)…適量
三つ葉…少々
生姜(すりおろし)…適量

★芋茎のアク抜き
① 芋茎は鍋に入る長さに切る。根元側から庖 丁を入れて皮を剥ぎ、酢水(分量外) につける。
② 沸騰した湯に、適量の酢と塩、大根のおろ し汁、タカノツメ2〜3本を入れる。水気を 切った①を加え、芋茎に火が通るまで茹でる。
③ ②をザルにあげて冷ます。約3cm幅に切り、 2〜3時間流水にさらす(アク抜き済み の芋茎は、水に漬けた状態で冷蔵保存が可 能)。

■作り方
① 芋茎はアク抜きをする(★)。
② 鍋にAを入れてひと煮立ちさせ、八方だしを作る。ボ ウルに移し、粗熱をとる。
③ ②の半量を鍋に戻し、①を加えて火にかける。ひと煮 立ちしたら、アクを取り除いてザルにあげる。
④ 残りの②を鍋に入れ、③を戻す。火にかけてひと煮立 ちしたら水溶き葛粉を加えて混ぜ、とろみをつける。
⑤ ④に、アワビと三つ葉を加えて軽く煮る。器に盛り、 生姜を添える。

「ずいき」を活かすPOINT
◦だしで2度炊きして味をよ く含ませる
◦アワビと葛餡を合わせ、旨み をプラスする

【シェフ紹介】
京料理 かねき(千葉・流山)店主・渡辺昭一郎氏

1968年、千葉県流山市生まれ。15歳で 京都・一乗寺『魚晋』に入店し、約7年間 修業。さらに、祗園などで約3年修業を積 み、実家である千葉・流山『かねき』に 入店。4年後の1997年、京料理店として リニューアルし、4代目店主となる。
昼夜ともにコース料理を主体に提供。地元客の 記念日利用のほか、遠方客のファンも多い。客 単価は昼4000〜5000円、夜1万5000円。
千葉県流山市にある老舗割烹『かねき』は、 現在の4代目店主・渡辺昭一郎氏が29歳 のときに『京料理 かねき』と名称を改め、 リニューアルオープンを遂げた。地元・流 山近郊の食材や京都直送の野菜などを使 い、「本物の味」を提供する。今回紹介す る「そのべ農園のずいき」は千葉・柏市 在住の野菜ソムリエを通じて出会ったとい う。「そのべ農園さんの芋茎は太くて立派。 だしをよく含むので煮物に最適です。」と渡辺氏。渡辺氏は、地産地 消の推進や食育活動を行なう「東葛六市 レストランサミット」に所属し、地域貢献 にも力を注ぐ。
■住所/千葉県流山市流山5-19-4
http://www.kyo-kaneki.com/index.html

※月刊「近代食堂」2017年11月号に掲載した内容を再編集しています