【How to Sizzle その5】こう撮りたいときはこうする!…撮影のツボ&小ワザ集
先週の安倍首相の会見でもあったように、自粛要請がまだもう少し続くことになりました。アメリカ、ヨーロッパでは外出制限や外食制限の要請もあり、外食へのダメージは日本以上に計り知れないものになっているのではないでしょうか。
これまでの【How to Sizzle】シリーズでお伝えしたことの繰り返しになりますが、外食控えや宴会等のキャンセルが続く苦しい中にあっても、手をこまねいているわけにはいきません。すでに様々なお店が、いろんなアイデアでこの困難に対抗しています。
「スマホで美味しそうに撮るコツ」も、ささやかではありますが、来たる「コロナ明け」の時の集客導線に役立てられれば、と思っています。
今回がひとまず最終回。「こういう写真が撮りたいときは、どうすればいい?」というのをいろいろ集めています。ではどうぞ!
コロナ対策も間に合ったぶんですが、各店の取り組みを掲載しています
*****近代食堂2020年9月号より再掲載******
これまで第1回から第4回までご覧いただき、しっかり撮影に取り組んだ方であれば、おそらく大抵の料理写真は「おいしそう」に撮影できていると思います。
がしかし、それでもなお、スマホで撮っているうちに「何か物足りない、なにかもう一声欲しい」。そんな気分になるかもしれません。
おめでとうございます!そんなあなたは「スマホで美味しそうに撮るコツ」の上級者。最終回の今回は、そんなあなたの「もう一声」を埋めるべく、シズル感アップの演出法をお伝えします♪ あれこれ結構あるので試してみて!
●「できたて」を逃さない!
できたてのシズル感を逃さないためには、 料理ができてからなるべくすぐに撮影する ことが大事。そこで、事前に空の器を使って、ライティン グや器の位置、アングルをテストしておき、料理ができたら素早く差し替えてパシャ! これはプロのカメラマンなら誰もがやっています。
↓↓↓料理ができたら素早く置き換えて↓↓↓
泡が消えやすいドリンクや、溶けやすいデザートも必須ですね。
●カトラリーで持ち上げる
汁ものの具やトッピングに覆われて中身が 見えないようなものは、具材をカトラリー ですくいあげ、寄って撮ると、よりおいし そうに見えることがあります。これはラーメンやお蕎麦でもよく使われますね。
●ソースは、粘度をつける
デミグラスソースなど、ソースがトロリと 落ちる様子はシズル感満点。またソース がゆるいと器全体に広がって美しくないので、撮影用にはソースの粘度をあえて強めて流すのもコツです。
●火を入れすぎない
撮影中に余熱で火が入り、肉は茶色くパサ パサに、野菜は色が落ちてクタッとしてし まう、なんてこともあります。食材によっては余熱 を考慮し、実際に提供する時より火入れ時 間を短めにするのも手です。
●湯気を強調したい
部屋の温度を低くすると湯気が立ちやすく なります。また背景の壁やテーブル、テー ブルクロス等を黒に近い濃い目の色にし、 かつ光を横から当てると湯気が見えやすくなります。熱々のお料理を撮るときはぜひ試してみて!
↑プロでも結構難儀します。
●器に“汗”をつける
冷たい飲み物を撮影するときは、グラス が汗をかいたように見せると涼感が高まります。ですので、撮影の際はぐらすに雫ができるのを待ってから撮影するのが良いでしょう。
しかし、室内の温度や湿度によっては、まったく汗をかかない場合も。こういうときはエアコンの温度を変える、も しくは霧吹きを使ってしずくを付ける方法もあります。
↑写真はマティーニ。とくに透明なドリンクは汗がつかないと全く味気なくなる場合も。わかりますか?
●ボリュームよく見せる
実際目で見るとボリューム感があるのに、写真で見るとあれ?なんか寂しく見える?というときありませんか?
そんなときは、撮影用に、少しだけ量を多めに用意して、高さがでるように盛りつけましょう。平皿のときは真ん中よりやや手前に、深皿のとき は奥に盛りつけると、イメージに近い形の美味しそうな写真になりますよ。
******************************
以上、シズル感アップの小ワザでした。
おいしそうな写真は、人の心を動かします。宅配やテイクアウトのアプリも最近はたくさんあります。いろんなお店の写真が並ぶ中で自分のお店のメニューがおいしそうなら、つい注文したくなるかもしれません。
あるいは毎日決まった時間に今日のランチをアップし、その写真がおいしそうなら、「久々に行ってみようか!」となるかもしれません。
あとは実行してみるのみ! ワクワクしながら試していただければ嬉しいです♪
<掲載写真>
魔法のおいしさオリエンタル×ビストロ 池袋『アガリコ』が教える新感覚エスニック・バルメニュー