#がんばろう飲食店  【新型コロナ対策/飲食店の取り組み例】近代食堂4月号より




<いまやるべき備えと、大切な心構え>(一部改稿)


 この原稿を書いているのは3月上旬 です。「この1?2週間が瀬戸際」と 政府が発表していた時から1週間とち ょっと過ぎた日にあたります。この先、 果たして政府の見解通り3月中旬に事態終息へと動き出すのか、あるいは3 月いっぱいまで自粛要請が続くのか不 透明な状況です。


(*3/26現在、小池都知事は週末の外出自粛要請を出しました。蔓延防止のためとはいえ、4月も不透明な状況になりつつあります)


 外出も憚られる世間の空気がある一 方、自粛ムードに反発する声も大きく なっています。今回の新型コロナの影 響や実態は、果たして「経済を殺して」 まで対応し続けるべきものなのか、政 府の支援策は万全なのか。オリンピックは・・・コロナへの 恐怖以上に事業の存続や景気後退への 恐れ・怒りが増しています。不安を煽 るようなマスコミ報道やinfodemic(根拠のない情報の拡散)への反発も強く 感じられます。


 一方、こうした風評被害とも言える 空気は、残念ながらなかなか変わりま せん。震災や大不況といった過去の非 常事態の時を振り返ってもそうです。 個人では「全然平気」でも、家族や学 校、地域のつながりといった中での「世 間の目」を気にして、飲み会や外食を 控える人はいます。病気や災害そのものではなく、世間の目が人の行動を変 えてしまう。厳しいかもしれませんが 私たち飲食店は、その点も踏まえなが らあらゆる事態に向き合い、対応して いく心構えが求められます。その日の お客様の入りやその日のお店の出来事 が、全ての現実です。


 今すぐすべき備えとしては、まずキャッシュフローを早急に把握 しましょう。手元の現金がなくなって からでは金融機関も動いてくれません。 早めに計画を立て、行政や公共団体の 特別措置や融資・助成金をチェックしましょう。


 また先月号の編集後記でも申し上げまし たが、現場においては、衛生管理のプ ロとして、そしておもてなしのプロと して、その本領を今こそ発揮してほし いと思います。不安がある中にも関ら ず来店してくださる目の前のお客様に 全力で満足を提供する。その中から、 この異常な状況の中でお客様が求めているもの、不便と思っているものが見えてくるかもしれません。衛生管理では、食中毒に普段から気を使っている飲食店だからこそ、お客様にコロナを予防する手立てを啓蒙するいい機会となるでしょう。


 残念ながら、この2月3月の売上損失はどこも大きいでしょう。でもこの損失は決して一気に取り返せません。こういう時は全体を見て、立て直す視点が大事です。も し3月の損失が200万円だとしたら、 今季の残り 11 ヵ月で200万を取り返 すような年間計画を立てるのです。ひ と月当たり 19 万円、 25 日営業なら、1 日あたり7600円を取り返す計算に なります。こう考えれば決して難しくないでしょうし、でも何もしないで上がる数字ではありません。中長期かけてお店を復活させる意志と施策が求められます。  


 この難局を打開する飲食店の意思を後押しするためにも、本誌では引き続き皆様の実用となる情報をお 届けし、一緒に戦って行きたいと思います。


#がんばろう飲食店!


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