白河ラーメンの真髄
とら食堂 全仕事著者:竹井和之

「手打中華そば」を目指してわざわざ車で他府県からも来るお客で行列が絶えない全国有数の有名店の1店『とら食堂』。その麺打ちの技術、スープづくりの技法、チャーシューやメンマのこだわりと、一杯を仕上げの工程までをくわしく解説。白河で旨いラーメンが広がった歴史と風土も解説する。

判型:四六判
ページ数:222ページ
発売日:2017/06/30
ISBN-13:9784751112861
定価:3,300円(税込)

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はじめに
 とら食堂の奇跡
「とら食堂」は、福島県白河市にある。
 白河市は福島県中通りの南端、栃木県の那須町と隣接する人口6万人あまりの地方都市である。そう言われて「ああ、あそこか」とすぐわかる人は、そんなに多くないと思う。公平に見て全国的に有名な街、とは言えないだろう。
「とら食堂」が位置するのは、白河市の中心部からさらに10キロほど離れた農村地帯だ。周囲にあるのは田んぼばかり。交通手段は自動車しかない。
 しかしながら、「とら食堂」は全国屈指の有名店である。特に「手打ちラーメン」の世界では、日本でナンバーワン、オンリーワンであることに、まず異論はあるまい。
 実際、「とら食堂」の駐車場を眺めていると、県内各地はもちろん、栃木、群馬、茨城、千葉、埼玉、東京、神奈川と、関東各都県ナンバーがずらりと並ぶ。ミシュランガイドではないが、「それを味わうために旅行する価値がある」ラーメンなのだ。
 近年のラーメン業界は、情報の時代だ。ラーメンはもともと各店の店主が独学で作り上げたものが大半だったが、今や、有名店、人気店といえども流行や他店からの影響を否定できない。ラーメン業界は「スタンドアローン」から「ネットワーク」の時代に変わったのだ。
 ところが、「とら食堂」は数少ない「例外」である。もちろん「とら食堂」も他店との交流がないわけではない。むしろ、積極的に交流しているといっていい。しかし、「とら食堂」の味と技術は、全くの自己流であり、他店に影響を与えることはあっても、他店から影響を受けた部分はほとんどない。特に日本一と自他共に認める手打ち麺の技術は、完全な「とら食堂」オリジナルなのだ。
 もちろん、「とら食堂」にも前史があり、突然生まれたものではない。むしろ伝統を引き継いだ「老舗」の部類に入る店だ。ただ、それを差し引いても、(こう言っては失礼だが)白河という片田舎で、独自に日本一の手打ち麺が作り上げられたことは、「奇跡」と言えるのではないだろうか。
 本書は、その「奇跡」を後世に残すために作られた。卓越した「技術」とそこに込められた「思い」を可能な限り正確に記録し、同世代、そしてのちの世代のラーメン職人にとって価値ある一冊になることを目的としている。(編者)

目 次
はじめに 〜とら食堂の奇跡
竹井さんへのメッセージ 〜阿部孝雄( 竹やぶ店主)
第1章 とら食堂物語 〜白河の歴史
第2章 とら食堂物語 〜白河ラーメンの歴史( とら食堂前史)
第3章 とら食堂物語 〜「とら食堂」の誕生
第4章 とら食堂物語 〜「とら食堂」の歴史( 竹井さん時代)
第5章 手打ちラーメンの真髄 〜手打ち麺
第6章 手打ちラーメンの真髄 〜スープ
第7章 手打ちラーメンの真髄 〜かえし( タレ)、チャーシュー
第8章 手打ちラーメンの真髄 〜具材
第9章 手打ちラーメンの真髄 〜仕上げ
竹井さんへのメッセージ 〜河原成美((株)力の源ホールディングス代表取締役会長兼CEO )
竹井さんへのメッセージ 〜千葉憲二( 有限会社ちばき屋 代表取締役社長)
手打ちラーメンがこれからも継がれて行くように

白河ラーメンの真髄
とら食堂 全仕事

竹井和之

「手打中華そば」を目指してわざわざ車で他府県からも来るお客で行列が絶えない全国有数の有名店の1店『とら食堂』。その麺打ちの技術、スープづくりの技法、チャーシューやメンマのこだわりと、一杯を仕上げの工程までをくわしく解説。白河で旨いラーメンが広がった歴史と風土も解説する。

判型
四六判
ページ数
222ページ
発売日
2017/06/30
ISBN-13
9784751112861
備考
定価
3,300円(税込)
はじめに
 とら食堂の奇跡
「とら食堂」は、福島県白河市にある。
 白河市は福島県中通りの南端、栃木県の那須町と隣接する人口6万人あまりの地方都市である。そう言われて「ああ、あそこか」とすぐわかる人は、そんなに多くないと思う。公平に見て全国的に有名な街、とは言えないだろう。
「とら食堂」が位置するのは、白河市の中心部からさらに10キロほど離れた農村地帯だ。周囲にあるのは田んぼばかり。交通手段は自動車しかない。
 しかしながら、「とら食堂」は全国屈指の有名店である。特に「手打ちラーメン」の世界では、日本でナンバーワン、オンリーワンであることに、まず異論はあるまい。
 実際、「とら食堂」の駐車場を眺めていると、県内各地はもちろん、栃木、群馬、茨城、千葉、埼玉、東京、神奈川と、関東各都県ナンバーがずらりと並ぶ。ミシュランガイドではないが、「それを味わうために旅行する価値がある」ラーメンなのだ。
 近年のラーメン業界は、情報の時代だ。ラーメンはもともと各店の店主が独学で作り上げたものが大半だったが、今や、有名店、人気店といえども流行や他店からの影響を否定できない。ラーメン業界は「スタンドアローン」から「ネットワーク」の時代に変わったのだ。
 ところが、「とら食堂」は数少ない「例外」である。もちろん「とら食堂」も他店との交流がないわけではない。むしろ、積極的に交流しているといっていい。しかし、「とら食堂」の味と技術は、全くの自己流であり、他店に影響を与えることはあっても、他店から影響を受けた部分はほとんどない。特に日本一と自他共に認める手打ち麺の技術は、完全な「とら食堂」オリジナルなのだ。
 もちろん、「とら食堂」にも前史があり、突然生まれたものではない。むしろ伝統を引き継いだ「老舗」の部類に入る店だ。ただ、それを差し引いても、(こう言っては失礼だが)白河という片田舎で、独自に日本一の手打ち麺が作り上げられたことは、「奇跡」と言えるのではないだろうか。
 本書は、その「奇跡」を後世に残すために作られた。卓越した「技術」とそこに込められた「思い」を可能な限り正確に記録し、同世代、そしてのちの世代のラーメン職人にとって価値ある一冊になることを目的としている。(編者)

目 次
はじめに 〜とら食堂の奇跡
竹井さんへのメッセージ 〜阿部孝雄( 竹やぶ店主)
第1章 とら食堂物語 〜白河の歴史
第2章 とら食堂物語 〜白河ラーメンの歴史( とら食堂前史)
第3章 とら食堂物語 〜「とら食堂」の誕生
第4章 とら食堂物語 〜「とら食堂」の歴史( 竹井さん時代)
第5章 手打ちラーメンの真髄 〜手打ち麺
第6章 手打ちラーメンの真髄 〜スープ
第7章 手打ちラーメンの真髄 〜かえし( タレ)、チャーシュー
第8章 手打ちラーメンの真髄 〜具材
第9章 手打ちラーメンの真髄 〜仕上げ
竹井さんへのメッセージ 〜河原成美((株)力の源ホールディングス代表取締役会長兼CEO )
竹井さんへのメッセージ 〜千葉憲二( 有限会社ちばき屋 代表取締役社長)
手打ちラーメンがこれからも継がれて行くように

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